今や日本人の4人に1人が持っているパスポート。2020年よりセキュリティーと偽造防止機能を強化した新デザインに生まれ変わります。葛飾北斎の浮世絵を採用した日本らしいかなりクールなパスポートになりますよ!
査証ページ背景に「富嶽三十六景」
今回の変更については、2016年5月に葛飾北斎の「富嶽三十六景」を基本デザインとすることが明らかになって以降、約4年近くをかけて準備が進められてきました。コンセプトは「日本的なデザイン」。富士山や浮世絵は海外でも日本を代表するものだと広く認識されていますし、特に「富嶽三十六景」は日本人のみならず世界中でよく知られているので、まさにパスポートの新デザインにふさわしいと言えるでしょう。
外観は変わりませんが、10年用パスポートには「富嶽三十六景」のうち24作品、5年用パスポートには16作品が査証ページの背景として描かれています。(参照―外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000432932.pdf)
てっきり「神奈川沖 浪裏」や「凱風快晴」など、どれか有名な絵の一つが全ページに印刷されるのかと思いきや、上に挙げたように全ページ異なるデザインになると知ってびっくり。それぞれ複雑な図柄を各ページに描くことにより、パスポート偽造を難しくするという理由があるそうです。また、パスポートには個人情報を管理するICチップが導入されていますが、今回そのICチップの不正読取りを防ぐセキュリティ機能も強化されているとのこと。
新デザインになるのはいつ?
外務省のホームページによれば、2020年2月4日以降の発給申請分から新型パスポートを交付するということです。(2月4日以前に申請した方は、たとえ2月4日以降の交付でもまだ旧デザインなのでお間違いなく。)
日本国内だけでなく、世界各国にある日本大使館など在外公館でも同時に新デザインに切り替えるそうなので、マレーシア在住のみなさんも現地申請で新型パスポートが発給されますよ! 国内のパスポートセンター等では、申請から交付まで (各自治体で異なるものの) 大体5日から10日程度かかるようですが、在外公館 (大使館) だともっと早く3日ぐらいでもらえるところもあります。なので今回新型パスポートを一番早く手にするのは、きっと当地で本日2月4日に発給申請した海外在住の方になるでしょうね。
他国のクールなパスポート
新型パスポートは、多くの日本人がちょっと自慢したくなるデザインではないかと思いますし、海外の入国管理官にもウケがよさそうですよね。ちなみに、北欧の国フィンランドのパスポートも査証ページが結構クールだったのでご紹介します。(さて、何がクールなのでしょうか??)
パスポートはページを追加できる
海外を頻繁に渡航される方は出入国のスタンプやビザ等が多くなりがちで、有効期限はまだ残っているのにパスポートの査証ページが足りなくなることがあります。そういった場合、パスポートセンターや在外公館で申請すればページを追加 (査証欄の増補) することができます。当然追加ページをはさみ込むことになるのでパスポートの厚みが少し増えるものの、実際受け取ってみると意外に細かな仕事がされているということを発見。
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例えば、A4サイズの冊子に後付けで同じA4サイズの追加ページを貼り付けると、どれだけキレイに貼っても少し飛び出してしまいます。しかし、パスポートの追加 (増補) ページはミリ単位の調整で若干幅を狭くしてあるので、閉じた時に端が既存のページとぴったり同じになって飛び出すことがないんです。「それがどうした」と思われるかもしれませんが、このちょっとした調整のおかげで追加ページの端だけボロボロになっていくのを避けられるわけです。頻繁に渡航していると、空港や飛行機等で何度もカバンやポケットから出し入れするためパスポートは酷使されがちで、こうした一見どうでもいいことが結構ありがたく感じるんですよね。
今回新しくなったパスポート、個人的には追加したページがどんなデザインになるのかとても気になります。同じ24種類の図柄から選ばれるのか、それとも追加ページには北斎デザインは使われないのか、どうなるんでしょうね。いっそ、増補ページだけ特別に残りの12種類が描かれ「三十六景」コンプリート!なんてことになったら最高なんですが (笑)。今後どなたか「新デザインのパスポートで増補したよ」という方がおられましたら、ぜひ情報をお寄せください。