2018年以来の総選挙
2018年以来、4年ぶりとなる総選挙 (GE15) が行われるマレーシア。前回選挙 (GE14) では、マハティール元首相率いる野党連合が歴史的な勝利を収めたことが世界各地でニュースになりました。今回の選挙戦では、PKR、BERSATU、UMNOの主要3政党が三つ巴となり各地で激しい選挙活動を展開しており、11月19日(土)に投票日を迎えます。
日本では選挙といっても、選挙演説があちこちで行われる以外は日常生活に特に変わりはありませんが、マレーシアの場合はもう少し緊張度が高まります。在住外国人として、選挙期間中に少し注意しておきたい点をご紹介したいと思います。
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そこら中が旗だらけになる
選挙期間中、マレーシアは街中が政党旗だらけになります。日本の選挙ポスターのように規定された場所だけOK、などというお上品なものではありません。道路沿い、フェンス沿い、歩道橋、信号機、中央分離帯など、ありとあらゆるところに貼りまくるのです。道路を走る車の安全確認に支障が出ようがそんなことは関係ありません。
なので、選挙期間中はそうした旗のせいで対向の右折車やわき道から入ってくる車が見えないことがあるので運転には十分注意しましょう。また、マレーシアは結構大きな道路でも歩行者が普通に車の間を縫って道を渡る姿を見かけますが (もちろん横断歩道なんてない箇所で)、中央分離帯が旗で埋め尽くされているとこうした人影も見えなくなるので要注意です。
さらに、選挙後にはちゃんと撤去されずに残った旗がボロボロになって道路になびいていることがあり、これまた運転していると危ないんですよね。特に二輪や自転車に乗る方は、身体やタイヤに絡まったりしないようお気をつけを。
交通渋滞
政党支持者のグループがデモ隊のように道路を練り歩いたり、何台もの応援車両が連なってゆっくり走ったり、閣僚や党首などVIPが訪れる際に周辺道路を封鎖したりと、選挙期間中は交通渋滞が普段より多くなる傾向があります。
また、無許可で大勢が集まっているところに警察がやってきて騒ぎになることもあり、そうなると野次馬がノロノロと進むためやはり交通渋滞の原因となります。普段は大丈夫な道でも、選挙期間中は突発的な渋滞に巻き込まれるかもしれないことを予想して、出かける際にはいつもより少し多めに時間を見積って考えておく方がよいでしょう。
また、マレーシアの選挙において投票は現住所ではなく、自身の出身地など選挙登録された土地でのみ投票できる仕組みになっています。登録を首都圏に変更している人もいますが、そうでない人は投票日の日曜日に向けて一斉に一時帰省することになります。
いくつかの州では政府は全国で投票前々日の金曜日と前日土曜日を臨時の休日としましたが、投票日の週末は高速道路などは大渋滞となる可能性があります。もし旅行を計画されている場合は、事前に最新情報を確認されることをおすすめします。
服装は色選びを慎重に
これはマレーシアだけでなく世界各地で見られる点ですが、各政党にいわゆる「チームカラー」みたいなものがあり、選挙戦では候補者をはじめ政党支持者がお揃いで特定色のシャツを着る様子がよく見られます。地元の事情に詳しくない外国人の場合、何も考えずに着ていた服が実は特定の政党のイメージカラーだったということもあり得ますし、そのことで不必要なトラブルに巻き込まれる可能性も考えられます。
ライバル政党の支持者間で小競り合いや暴力沙汰になることもあるため、外見で誤解を招くような服装は避けた方がよいでしょう。マレーシアの場合、政党集会などを見ると赤や青、白、オレンジといった色がイメージカラーとしてよく選ばれているようです。
どの色にせよ、こうした政党支持者の集まりではビビッドな単色のシャツを着ることが多いので、そうした服をお持ちの方は選挙期間中は少し注意して服装を選んだ方がよいかもしれません。
人込みに気をつける
人の集まるエリアというのは、どの政党も選挙活動において力を入れたい部分です。そのため、人込みではライバル政党同士がかち合うこともあります。また、ある政党や候補者個人に対して反感を持っている人物が危険な行動を取る可能性もあります。
マレーシアでは近年大きなテロ事件は起きていませんが、選挙集会や選挙活動に伴って不測の事態が発生する確率が高いのはやはり人込みです。在マレーシア日本大使館からも、“混雑する場所を避けてトラブルに巻き込まれないように”という総選挙に関連した注意喚起のメールが来ていましたので、現地在住ならびに旅行等で滞在中の方は周囲の状況に十分ご注意ください。
(2022年11月15日:誤記修正、テキスト追加・修正)