「ハーフボイルドエッグ」って何?
クアラルンプール (KL) やペナンなど大都市ではお洒落なカフェが急増しているマレーシアですが、それでも「コピティアム」と呼ばれる昔ながらのカフェはまだまだ健在です。
そんなコピティアムで定番とも言えるのが、「ハーフボイルドエッグ」 (マレーシア風半熟ゆで卵) です。日本で半熟卵というと、白身はほぼ固まっていて中から黄身がトローリと出てくるものを想像しますが、マレーシアの「ハーフボイルドエッグ」はそれよりも温泉卵に近い食べ物です。もう少し正確に言うと、「黄身があまり固まっていない温泉卵」というところでしょうか。地元の人たちはこのハーフボイルドエッグが大好きで、どのコピティアムでもほぼ間違いなくメニューに入っています。
さて、ハーフボイルドエッグを注文する時に覚えておくとよいポイントをいくつかご紹介します。
2個で1セット
ほとんどのコピティアムでは、注文の際に「1つ=タマゴ2個」となっています。「ハーフボイルドエッグ2つ」と注文すると計4個頼んだことになりますので注意しましょう。
お皿が2枚
ハーフボイルドエッグは大抵2枚重ねにしたお皿の上に載せて提供されます。このお皿というのがどう見てもコーヒーカップ用のソーサーで、コピティアムになじみのない方は「これで一体何をしろと???」と戸惑うこともあるようです。
この2枚のお皿、どうやって使うのでしょうか?
答えは実にシンプル、「お皿の上に卵を割って食べる」です。ちなみにほとんどの人は、提供された時に卵が直接触れていない下の方のお皿を使います。マレーシアの玉子は店頭に並ぶ際にも日本のようにキレイではなく、よくゴミやフンなどがついているので、熱湯でゆでているとはいえ気分的に「殻が直接触れたお皿の上では食べたくない」と感じることが理由ではないかと思います。ちなみに殻の内側にプルンとした白身が残ることが多いので、それもスプーンで丁寧にかき出して食べましょう。
人それぞれ好みはあるものの、「醤油と白コショウをかけ、軽く混ぜて食べる」というのが一般的な食べ方です。そのままスプーンですくって食べるのはもちろん、別に注文したトーストを卵につけながら食べている人も多く見られます。
ゆで具合をリクエスト
実は、ハーフボイルドエッグは店によってゆで方に独自のレシピがあり仕上がりが違います。地元の人はそれぞれ自分のお気に入りのコピティアムがあり、話を振ろうものなら「○○の店の黄身が一番おいしい」、「いやいや、△△の方がいいタマゴ使ってる」など、たかがタマゴの話題で結構盛り上がるものです。
お店によっては、ある時は殆どただのゆで卵、次に行くと白身がまだ透明なのが出てきたなど、仕上がりがバラバラなこともあります。しかし人気があるコピティアムのハーフボイルドエッグというのはやはり美味しく、さすがいつ食べても同じゆで具合と食感をキープしています。
もし、「ここのハーフボイルドエッグはちょっと生っぽいので、もう少しゆでて欲しい」という時には、「ハーフボイルドエッグ、スリークォーター (4分の3)」と注文しましょう。そうすれば、カチカチのゆで卵にされることなくちょうどいい感じになるはずです。
※ ちなみに個人的なランキングでは、「オールドタウン (OldTown)」、「パッパリッチ (Papparich)」、「クルアンステーション (Kluang Station)」が、ハーフボイルドエッグの美味しいフランチャイズ・コピティアムのトップ3です。
マレーシア人がこよなく愛するコピティアム。みなさんも機会があればコーヒーだけでなく、ハーフボイルドエッグやカヤトーストをはじめとするコピティアムの定番メニューもぜひ楽しんでみて下さいね。
(2018年9月1日:タイトル修正)
(2020年6月21日:テキスト追加・修正)