この記事は、マレーシア航空の関西国際空港到着便での忘れ物をベースに書かれています。マレーシア航空の成田空港到着便または日本発マレーシア到着便、ならびに他の航空会社については当てはまらない箇所がありますのでご了承下さい。
機内の忘れ物問い合わせ先はどこ??
先日マレーシア航空を利用して日本に戻った時のことです。
今回のフライトはラマダンで断食月の最中とあって、朝4時台から客室のライトが点き軽食が出てくる実にハードなスケジュール。そんな訳でかなり睡眠不足のまま関西国際空港に到着。で、やってしまいました。
「iPadがない・・・」
実家に帰って荷物を開けている時点で初めて気づいたこの事実。「最後に使ったのはどこだ!?」必死になって記憶をたどります。出発時のKLIA (クアラルンプール国際空港) では確実に持っていました。飛行機に搭乗してからも、ちゃんと機内モードにした記憶があります。その後シート前のポケットに入れて・・・。
ビンゴ。何度考えても、飛行機を降りるにあたりシートポケットの中からiPadを出した覚えはありません。機内に忘れてきた確率100%。
「こういうところに忘れ物する人って、そそっかしいんだろうね」なんて普段エラそうに言っていた言葉が、そのまま自分に突き刺さります。ラマダンで朝早くからたたき起こされたから眠くてボーッとしていたという理由が頭の中をよぎるものの、言い訳したところで意味がないことも分かっています。でもここで焦っちゃいけません。日本の航空会社には必ず忘れ物 (遺失物) お問い合わせ窓口があります。だからそこに連絡すれば大丈夫なはず。
そう、日本の航空会社なら。
マレーシア在住の日本人ならご存じの方も多いと思いますが、特に日本側におけるマレーシア航空のカスタマーサービスは正直言ってアテになりません。成田空港や関西空港のサイトには航空会社連絡先としてマレーシア航空の電話番号 (国内) も載ってはいるものの、この番号にかけたところで結局マレーシアのオフィスに転送されているのです。まずオペレーターに繋がるまでに何十分もかかることも珍しくなく、またやっと繋がっても日本人スタッフではありません。もちろんそれなりに丁寧な日本語を話せるマレーシア人なのですが、日本語能力はそこまで高くはなく、込み入った話になるとどうも話がかみ合わない上に、良くも悪くも対応がマレーシア的な感覚です。
というわけで電話で連絡しても無駄なことは分かっていたので、とりあえずマレーシア航空 (日本語) のサイトを見てみることにしました。でもいくら探しても忘れ物お問い合わせに関する情報はまったくありません。これはちょっとマズいな、と思いかけた矢先に思いつきました。
「あのフライトはJALとコードシェア (共同運航) だったから、ひょっとしてJALに聞けば分かるかも」
日本が誇るナショナルフラッグのJALなら、カスタマーサービスは万全。忘れ物ぐらいきっと余裕で見つかります。まだ連絡すらしていないにも関わらず、すでにこの段階で何とも言えない安心感を感じさせてくれるのがジャパン・クオリティ。
おすすめブログ記事:「【ボーイング737-Max事故】マレーシアの格安航空LCCは導入しているの?」by KOKONATS
JALに問い合わせ・・・でも?
早速JALのサイトにいってみると、ありました!
ページをスクロールしていくと【国際線】というカテゴリーがあり、その下に「機内・ラウンジでのお忘れ物については、下記お忘れ物窓口にて承ります。」という文言を発見。「よっしゃ、これで解決する」と思った瞬間、そのすぐ下に書かれていた文章が目に飛び込んできました。
「他社運航のコードシェア便については、運航していた航空会社へお問い合わせください。」
ワラにもすがる思いでJALに望みを託していた私にとっては、某北の国の将軍様なみに無慈悲で容赦ない一文です。機材がマレーシア航空だった以上、確実にJALの運航ではありません。たとえJALに連絡しても無駄なことは明らかです。一瞬ぬか喜びしたものの、ここでついに希望の光が潰えたかと思った時、また突然アイデアがひらめきました。
「ANAに聞いてみたらいいんじゃないか!?」
別にJALがダメだったからANAとかいう単純な理由ではありません。外国の航空会社の場合、日本国内に十分な空港スタッフを自前で持っていないため、各社は国内航空会社に委託する形で空港業務を行っています。以前マレーシア航空の地上業務を行っていたのがANAのスタッフだったことを思い出し、そうであれば機内清掃や手荷物業務などもANA系列の会社が担当しているかもしれないと思い至ったわけです。
ANAに問い合わせしたところ・・・
今度はANAのサイトに行き、そこから「忘れ物/手荷物の遅延・破損に関するお問い合わせ先」というページで連絡先を確認。はやる気持ちを抑えながら電話をかけます。数回のコールの後オペレーターにつながったので、簡単に状況を説明します。
ー じつは今朝機内に忘れ物をしたのですが、連絡先はこちらでよかったでしょうか?
ANA:はい。では、お客様がご利用になった航空会社はどちらになりますでしょうか?
ー マレーシア航空なんですが、確かANAさんで空港業務をされていたように記憶していまして、こちらにお電話したんですが。
ANA:誠に申し訳ございません。以前はそういう時期もあったんですが、現在すでにマレーシア航空との業務委託契約は終了しておりまして、空港業務等につきましても弊社では担当しておりません。
そんな・・・。“The End” 終了を告げる言葉が頭を駆け巡り始めた時、再びオペレーターの声が。
ANA:では、現在マレーシア航空の地上業務を担当されている会社の連絡先をお伝えしてもよろしいでしょうか?
もちろんよろしいですよ!よろしいに決まっています!!
そうして教えてもらったのが、次の番号でした。
「072-456-5041」
ANA:この番号はCKTS*という手荷物サービス等の空港業務を扱っている会社で、マレーシア航空も担当されていますので、こちらにお問い合わせ頂けるでしょうか。
いやもう、この時ばかりは女性オペレーターの姿が光り輝いて見えたとか見えないとか (笑)。
※もちろん聞こえているのは音声だけです。
*CKTSは、大阪国際空港ターミナル株式会社とキャセイパシフィック航空会社が、関西空港での地上業務の提供のために共同出資で設立した会社。関西空港の開港と同時 (1994年) に事業を開始し、当初は「キャセイ関西ターミナルサービス」という社名だったのが、その頭文字を組み合わせた「CKTS」へと2011年に変更。キャセイパシフィック航空はもちろんのこと、マレーシア航空以外にも、タイ国際航空、エールフランス、KLMオランダ航空、デルタ航空など、様々な外国航空会社への空港地上業務を提供している。(2018年4月現在)
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マレーシア航空の忘れ物問い合わせ先
親切なANAのオペレーターに厚く御礼申し上げた後、すぐさまCKTSへ電話。
ー じつは今朝機内に忘れ物をしたのですが・・・
CKTS:はい。どちらの航空会社をご利用になりましたか?
ー マレーシア航空です。
CKTS:ご到着は本日ですね?ではご利用の便名とお座席番号、またお忘れになった物とその場所をお願いできますか。
ー MH○○で、座席番号は○○です。前のシートポケットにiPadを入れたまま忘れてしまいまして。
CKTS:かしこまりました。今すぐ調べますので少々お待ちください。
待っている間、ついに正しい連絡先にたどりついたんだという実感がふつふつと湧いてきます。待つこと約30秒ほど。
CKTS:お待たせいたしました。はい、本日その場所で遺失物としてiPadが1点報告されております。恐らく該当のものに間違いないとは思いますが、数点確認のため質問をさせて頂きます。
ついにあった・・・
時間にするとそれほどでもないものの、まるで苦難の連続だった長旅を終えてようやく目的地にたどり着いたような心境です。オペレーターからiPadカバーの外観等、所有者の本人確認のためいくつか質問を受けた後、受け取り方法について確認。空港に行って直接受け取ることも考えましたが、空港までの往復にかかる時間と費用を考えると送ってもらう方が効率的なので (輸送時に破損等ダメージを受けるリスクがゼロではないですが)、結局着払いで郵送してもらうことにしました。
そして電話してからちょうど1日後、機内に置き忘れたiPadは丁寧に梱包され無事に手元に戻ってきたのです。電話での確認から郵送手続きまで、CKTSは素早く確実な対応でした。みなさんも、万が一マレーシア航空の関西空港到着便で機内に忘れ物をしてしまった時は、CKTSの手荷物サービス係へ連絡してみてください。
※ ただし、マレーシア到着便での忘れ物の場合は、マレーシア航空の現地担当オフィスへの問い合わせ (英語)となりますのでご注意ください。
<お問い合わせ>
CKTS株式会社
電話: 072-456-5041 (関西空港:手荷物サービス係)
公式サイト: www.ckts.co.jp/index.html
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まとめ
これまでマレーシア航空の機内に何か忘れたらもう仕方ないと思っていましたが、今回のことで外国の航空会社であっても日本着のフライトの場合はちゃんと解決法があることが分かりました。利用した航空会社が地上業務を委託している先を見つければ、忘れ物を取り戻せるチャンスがあるんですね。あきらめずにトライしてみましょう!
(2018年6月4日:誤記・レイアウト修正)
(2019年5月27日:テキスト修正)