(追記:2018年7月13日)
2018年7月28日の皆既月食については、特集記事「【月食】今年2回目の皆既月食を見よう! (2018年7月)」をご覧ください。
日本では2015年以来ほぼ3年ぶりとなる皆既月食が、2018年1月31日夜に見られます。
月食が観察しやすいのはなぜ?
狭い地域でしか観察できない日食と比べると、月食はかなりの広範囲で見ることができます。今回はアフリカ大陸、南米大陸、南極大陸ならびに西ヨーロッパを除く世界各地で皆既月食または部分月食が観察できる条件となっています。
また、日食のように保護メガネやフィルターを使うことなく、肉眼で観察できる というのも月食の醍醐味といえます。(もちろん、双眼鏡や望遠鏡を使えば月面のクレーターにうつる影などより細かい変化まで観察することができます。お持ちの方はぜひご準備を。ちなみにスマホ用の外付け望遠レンズでも、肉眼よりかなり迫力のある画像が楽しめます。)
今回日本では、部分食から始まり皆既食を経てまた部分食に戻る流れのすべてが見られることに加え、月食が起こるのが深夜早朝ではなくちょうど 観察しやすい時間帯 ということもあり、天気さえよければ月が赤銅色に変化していくこの天体ショーを各地で楽しむことができるでしょう。
ちなみにマレーシアの場合、東マレーシア (ボルネオ島) では始まりから終わりまで全て見ることのできる完全な皆既月食、そして半島マレーシア側では月の出の前に始まってしまう半影食*を除く皆既月食をそれぞれ観察することができます。
*半影食とは、部分食が始まる前と後の段階で月表面に届く太陽光の一部を地球がさえぎった状態。地球が太陽を全部隠す状態になると本影と呼ばれる濃い影になる。流れとしては、半影食→部分食→皆既食→部分食→半影食となる。半影食では影に入った部分の月の明るさはわずかに下がる程度なので、注意して観察していないと気づかないことも多い。
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何時ごろ見られるの?
日食とは異なり 世界各地で同時刻に観察 できる月食。日本時間 (UTC+9) では月食の流れは下のようになります。
部分食の始まり:午後8時48分
皆既食の始まり:午後9時51分
食の最大 :午後10時29分
皆既食の終わり:午後11時8分
部分食の終わり:深夜0時11分
マレーシア (UTC+8) では日本時間からマイナス1時間で計算し、次のようになります。
部分食の始まり:午後7時48分
皆既食の始まり:午後8時51分
食の最大 :午後9時29分
皆既食の終わり:午後10時8分
部分食の終わり:午後11時11分
チャンスを逃すな!
皆既食の時間だけでも約1時間17分と、長い時間にわたって観察できる今回の月食。国立天文台でも、天文ファンの期待を高める「皆既月食を観察しよう 2018」と題したキャンペーン (https://naojcamp.nao.ac.jp/phenomena/201801-lunar-eclipse/) を行っています。さらに、同サイトから観察記録用紙をダウンロードできますので、こうしたツールを使ってこの機会に月食の様子を詳しく観察してみるのもいいかもしれませんね。 (「キャンペーンに参加する!」ページ内に「記録用紙をダウンロード」という見出しがあります)
観察するには 絶好の条件に恵まれた今回の皆既月食。1月31日の夜、ぜひチャンスがあれば夜空を見上げて、世界中の人が目にするであろうこの天体ショーを楽しみたいものです。
ちなみに、日本で見ることのできる次回の皆既月食は2018年7月28日となっています。部分食については日本全国で、皆既食は東北より西の地域で観察できます。ただし月食が起きるのが日本時間では夜明け前ということと、皆既食から明るさが戻っていく時間帯はすでに月が沈んだ後となり観察できないため、やはり月が地球の影に入って再び出てくるという月食の流れをフルで見ることのできる今回のチャンスはぜひ逃さないようにしたいですね。
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(2018年1月29日:テキスト修正、見出し追加)