コーヒーの品種ノートです。
H3
由来: | カトゥーラとエチオピア在来種系E531の人工交配種 |
豆のサイズ: | 大きい |
収穫量: | 多い |
風味の質: | とても良い |
初回収穫: | 3年目 |
さび病: | 耐性低い |
炭疽病: | 耐性低い |
線虫: | 耐性低い |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,600m以上 北緯/南緯5度~15度:1,300m以上 北緯/南緯15度以上:1,000m以上 |
H3の歴史
H3はセントロアメリカーノ同様、フランス国際農業開発研究センター (CIRAD) 、中央アメリカ各国コーヒー研究所ネットワーク (PROMECAFE)、ならびにコスタリカの熱帯農業研究教育センター (CATIE) の共同研究により開発されたF1ハイブリッド種です。エチオピア在来種 (CATIEカタログ番号E531) とカトゥーラを交配させて生まれました。
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F1ハイブリッド種の場合、本来は遺伝的多様性を高めると共に病害虫への耐性を持つ品種を開発することを目的としているため、さび病への耐性が低かったH3の評価はあまりよくありませんでした。しかし、H3が持つ風味特性がとても優れていたことから研究栽培が続けられ、現在に至っています。(F1ハイブリッド種に特有のデメリットについては「【コーヒー品種】セントロアメリカーノとは?」をご覧ください。)
あまり目にすることのない品種ですが、とりわけ標高の高い場所で栽培されたH3は大きなポテンシャルを秘めており、機会があればぜひ味わってみたい品種の一つと言えます。
[参考資料]
World Coffee Research (2016) 「COFFEE VARIETIES of Mesoamerica and the Caribbean」, URL: https://worldcoffeeresearch.org/media/documents/Coffee_Varieties_of_Mesoamerica_and_the_Caribbean_20160609.pdf (参照日:2018年3月15日)