欅 (けやき)、桜、トチノキ、イチョウ、さらにはメタセコイア。そう、これらは日本の道路を彩る街路樹の一部です。「新・日本街路樹100景」なども選定される程、美しい並木道というのは日本人の感性に訴えるものがありますよね。
マレーシアにも街路樹がキレイな道路は存在します。木洩れ日や心地よい木陰も作り出してくれる街路樹ですが、何せ南国で年中夏なので枝葉がグングンと成長して道路に張り出すなど維持管理に手間がかかるのも事実。そんなワケで、見た目にも美しく親しまれていた木々がある日突然に役所によって全部根元からスッパリと切られてしまい、激怒する近隣住民の様子が地元ネタのニュースになることも時々あります。
さて、そんなマレーシアの街路樹ですが、その周辺で気をつけておいた方がよいことがあるのです。
街路樹が倒れる―しかも結構な確率で
熱帯気候のマレーシアは、日本でいうゲリラ豪雨のようなスコールが頻繁に降ります。その際、雨だけでなく風も相当強くなるのですが、こうした雨の後はほぼ確実に周辺のどこかで街路樹が倒れていると考えてよいでしょう。
日本でも台風の後にはそのような光景が見られることもありますが、マレーシアではスコール後の倒木は日常茶飯事と言っても言い過ぎではありません。根が浅いのか土壌が悪いのか、それとも水はけに問題があるのか、なぜこんなによく倒れるのか分かりませんが、とにかく大きな木が根こそぎブッ倒れます。そこで注意が必要になってくるのが路上駐車です。
商業エリアに設けられている道路脇の駐車スペースは、平日の日中ならまず空きがないほどフルに利用されていますが、そんな中で街路樹が倒れるとどうなるかは言うまでもないでしょう。スコールの後に鳴りやまないアラームがあれば、それは大抵倒れてきた木の直撃を受けた気の毒な車です。安い小型車だろうが高級外車だろうが、大木が倒れてきても耐えられる乗用車などありません。できることなら、大きな木の真横には駐車しない方が大切な車を一発廃車にするリスクを避けられると思います。
以前、「メキメキメキッ!」という凄い音と共に倒れてきた巨大な街路樹がちょうどタイミング悪く通りがかった車を直撃した様子を目にしましたが、あれはどうやっても避けようがありません。(天井から完全に「くの字」状態にプレスされており最悪の事態が頭をよぎりましたが、乗っていた二人の女性は大けがを負ったものの奇跡的に命には別条なく、駆け付けたレスキュー隊に救出されました。) こうした危険も考えると、前が見えないほどの暴風雨になっている間は運転を控えておくのが賢いかもしれません。
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鳥のフンが落ちてくる―たまに鳥も落ちてくる
街路樹にたかるムクドリやカラスの大群によるフン攻撃は、日本と同じくマレーシアでも車の大敵です。これに関しては多くを語る必要はないと思いますが、鳥が集まってくる夕方以降は路上にフンが点々としているスポットへの駐車は避けた方がいいでしょう。
ちなみに、マレーシアではこうした害鳥の駆除方法もなかなかワイルドで、エリアによってはショットガンを持った役所の職員が木にとまった鳥を実弾でバンバン撃ち落としていきます。自分の車の上に撃たれた鳥が落ちてくると最悪ですが、一応は空いたスペースに落ちるよう狙っているとのこと。もしこうした場面を見かけても驚かないように心の準備をしておきましょう。ただ、一旦は恐れをなして逃げた鳥の群れも数日経つとすぐ戻ってくるので、費用対効果という意味ではイマイチなような気がします。
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(2019年2月16日:タイトル修正)