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【マレーシア】2020年9月 首都圏で大規模な断水

投稿日:2020年9月6日 更新日:


Outdoor water tap

by Jan Vašek on Pixabay

マレーシアは比較的インフラが安定しており、ガスや電気などが止まることはほとんどありません。しかし、水道に関してはここ1年半あまりで首都圏での断水が複数回起こっています

現地在住の日本人の方は当然ご存知だと思いますが、クアラルンプールやセランゴール州の多くを含む首都圏クランバレー一帯が影響を受けた今回の大規模断水についてお伝えします。(コンドミニアムにお住まいの方は、屋上に設置されている貯水タンク内の水で断水後もしばらくは水道が使えますが、大体持つのは2、3日程度だと言われています。断水中はいつも以上に節水を心がけましょう。)

断水の概要

(2020年9月8日更新) 水道事業者のアイル・セランゴール (Air Selangor) の発表によると、9月8日午後の段階で約95%が復旧したとのこと。やはり当初言われていたように、9日には完全復旧となりそうです。

セランゴール川から取水し首都圏に上水道を供給している浄水施設4か所が、異臭を検出したため9月3日に稼働を停止。クアラルンプール (KL) やペタリンジャヤ (PJ) を中心に、数日間にわたって住民約120万人が影響を受ける事態になりました。9月6日時点でまだ復旧したのは一部エリアのみとなっており、完全復旧するのは9日頃とみられています

原因は工場からの廃液による水源の汚染でした。当局の調査により、取水源とつながっている支流沿いにあるラワン (Rawang) の機械整備工場が垂れ流した廃液が原因だと確定。今回のケースが全国レベルで問題になっているのは、この工場が過去に何度も同じことを繰り返しており、その度に断水を引き起こしているということが明らかになったためです。

前回の違反時には罰金6万リンギ (約150万円) が科せられたということですが、大規模な利益を上げている事業者にとってこの程度の罰金は大した額ではありません。資金を投じて汚染対策を行うよりは、バレるまで垂れ流しにしておいて、当局に見つかったらその都度罰金を払う方が安上がりなのでしょう。そのことを把握していたにも関わらず、当局はこれまで先に述べた程度の罰金と「規制を順守するよう要請している」と繰り返すにとどまり、相手にとっては痛くもかゆくもない対応を続けてきました。

市民の怒りが爆発

今回は、新型コロナウイルスですでにギリギリのところにある小規模飲食店が断水により通常営業できない、感染対策の基本である手洗いやクリーニングに必要な水の確保が困難となる、トイレが流せずシャワーも浴びられない、さらに断水地域ではフィジカル・ディスタンシングを守りながら給水の列に並ぶ必要があるなど、非常な不便を何日も強いられた市民の怒りが頂点に達したことから連日トップニュースとして取り上げられています。怒りの矛先が政府に向かうのを避けるため、当局も今回ばかりは違反事業者に対し相当強い措置で臨み、いわば見せしめとして厳重な処罰を下さざるを得ないと思われます。

この件については、アブドゥラ国王も面会した環境・水省のトゥアン・イブラヒム大臣に「汚染を引き起こした者を厳しく処罰するように」と述べており、いつものようにうやむやに終わらせるという選択肢はほぼないと見てよいでしょう。

実際、地元の報道によれば、この類の違反に対する罰金を100万リンギ (約2,500万円) まで引き上げることや、責任者を有期刑に処し事業者免許を5年間停止にするなどの厳罰化を可能にする改正案が政府内部で検討されているとのこと。同時に、環境・消費者問題・科学技術イノベーション担当の議員が全く仕事をしていないとして辞職するようにという声も上がっています。

確かに、一事業者の無責任な行動で何百万リンギ (日本円で億を超える) もの損害と100万人を超える住民への影響を出しておきながら、当事者は5〜6万リンギの罰金を払えばこれまで通り事業を継続できるというのは、常識的に考えて市民から批判の声が出るのは当然でしょう。今回は工場の退去命令が出る可能性もあるようですが、今後また別の事業者が同じことを繰り返さないためにも抜本的な解決策が求められています。

[参考資料]

(2020年9月4日) Klang Valley water disruption: Repeat offender ordered to shut down. EdgeProp. URL: https://www.edgeprop.my/content/1731906/klang-valley-water-disruption-repeat-offender-ordered-shut-down (参照日:2020年9月6日)

(2020年9月5日) Water woes: Rawang factory will be ordered to vacate land. New Straits Times. URL: https://www.nst.com.my/news/nation/2020/09/622153/water-woes-rawang-factory-will-be-ordered-vacate-land (参照日:2020年9月6日)

(2020年9月8日) テキスト修正・追加

 

 


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マレーシアのクアラルンプール在住。

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