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【マレーシア】回復のための活動制限令 (RMCO) で何が変わるか

投稿日:2020年6月8日 更新日:


KLCC in day time

当ブログではこれまで「【新型コロナ (COVID-19)】マレーシアの感染状況は?」と「【マレーシア】条件付き活動制限令 (Conditional MCO) で何が変わるか」などの記事で現地の情報をお伝えしていますが、経済ならびに社会活動における規制をさらに緩和した回復のための活動制限令 (Recovery MCO) が6月10日より施行されることに伴い、明らかになっている点をお伝えしたいと思います。

(2020年8月28日:追記) ムヒディン首相は、当初8月31日までとされていたRMCO12月31日まで延長すると発表しました。(参考ーThe Star: “PM: Recovery MCO extended till Dec 31 (updated)PM: Recovery MCO extended till Dec 31 (updated)”)

回復のための活動制限令 (RMCO) の概要

ポイント

・公衆衛生の強化

・法とその執行

・国境管理の徹底

・経済セクターの完全な再開

・ニューノーマル (※ いわゆる「新しい生活様式」)

・コミュニティの責任強化

・ハイリスク グループの保護 (※高齢者など)

経済活動

・新たに再開する業種 (理容・美容室、各種市場、フードコート、屋台、フードトラック、博物館・美術館、コインランドリーなど)

・会議やワークショップ、屋外での商業活動も許可

引き続き禁止される業種 (パブ、ナイトクラブ、カラオケ、娯楽施設、リフレクソロジー、テーマパーク、その他 人が密集する活動など)

・活動再開にあたってはSOP (手順書) を遵守すること

(2020年7月31日:追記) POS Malaysia (マレーシア郵便) は、8月3日から当面の間はシンガポール宛てを除く国際郵便サービスの受付を停止すると発表。(参考―The Star: “Pos Malaysia suspends international deliveries except to Singapore effective Aug 3“)

(2020年7月19日:更新) 政府は、7月1日より映画館ライブイベント遊園地等の再開を条件付きで許可(参考―The Star: “Ismail Sabri: Cinema, pools and live events allowed from July 1, SOPs apply” / “Theme parks can reopen“)

(2020年7月19日:追記) 7月15日以降は、ソーシャル・ディスタンシングを条件にイベント等の人数制限を解除(参考―The Star: “No limit to number of people in social gatherings and places of worship starting July 15“)

スポーツ

身体の接触がない屋外活動は基本的に許可 (ジョギング、サイクリング、ツーリングなど)

引き続き禁止されるもの(スポーツ大会など大勢の観衆を伴う活動。ラグビー、サッカー、バスケットボールなど人との接触を伴う活動。)

(2020年8月19日:追記) イスマイル・サブリ上級相は、9月1日より学校でのスポーツ課外活動としての運動許可すると発表。当然ながら、SOPとガイドラインに従った実施という条件付きとなっています。(参考ーThe Star: “Schools can hold sports and co-curricular exercise from Sept 1“)

(2020年6月24日:追記) 政府は、7月1日よりプールの再開を条件付きで許可すると発表。自宅コンドミニアムやホテル宿泊時のプール利用を待っていた人たちにとっては朗報です。(参考―The Star: “Ismail Sabri: Cinema, pools and live events allowed from July 1, SOPs apply“)

宗教活動

人が密集する宗教活動は引き続き禁止

・一部の宗教活動については、人数や年齢の制限などを含むSOP (手順書) に基づいて許可

国内での移動

・州をまたぐ移動を含め国内移動の制限を解除 (国内旅行を目的とする移動も許可)

学校

SOP (手順書) に基づいて段階的に教育機関を再開

(2020年6月24日:追記) マレーシア教育省は、6月24日より全国の中等学校 (Secondary School)再開すると発表。(参考―The Star: “It’s a date: Secondary schools reopen on June 24, exam cohorts get first dibs“)

(2020年7月19日:追記) 7月15日以降は、SOPの遵守を条件にその他の学校も順次再開(参考―The Star: “Schools to reopen in stages for other students starting July 15, says Education Minister“)

回復のための活動制限令 (RMCO) に関する疑問

RMCOにおいては経済的および社会的活動の制限が一部を除きほぼ解除されることになりますが、それぞれの分野で政府が決定したSOP (手順書) に従う必要があります。また、同制限令が終了する12月31日までは厳格な入国管理が継続され、海外からの入国者全員の政府指定施設における14日間強制隔離外国人旅行客の入国禁止措置が続きます。

RMCO施行後はマレーシア内での活動はかなり自由になるとはいえ、今後集団感染が発生するなど状況が変化した場合は再び規制が厳しくなることも考えられます。経済的な事情からも活動を再開せざるを得ない側面があると思いますが、制限令が完全に解除されるまでは不必要な外出を避けるといった個人の努力が求められていると考えてよいでしょう。

(2020年8月3日更新) マレーシア政府は、8月1日以降人で混雑する場所公共の場所でのマスク着用を義務化すると発表しました。(参考―The Star: “Covid-19: Use of face masks in crowded public areas to be mandatory from Aug 1, says Ismail Sabri“)

なお、これには公共交通機関、タクシー (Grab等も含む)、スーパー、市場、ナイトマーケット、映画館、観光地などが含まれるとのこと。自家用車に乗っている場合、2歳未満の子供、また運動中は適用外とされています。(参考―The Star: “Ismail Sabri: Face masks must be worn in markets, tourist spots, cinemas“)

(2020年7月31日:追記) 政府当局は、いずれは家から出たら時点から外出時は常時マスク着用を義務化とする可能性を表明しました。ただし、マスクの供給が十分であることが前提となるため、当面の間は公共交通機関や飛行機を含め人で混雑する公共の場所に限って義務化とするようです。(参考―The Star: “Mask up once out of home“)

Q. 散髪には行けるのか?

条件付き活動制限令 (CMCO) では禁止されていた理容・美容室の営業が、RMCOでついに許可されることとなりました。これまでほぼ3ヶ月にわたってボサボサになりながら我慢した人、あるいは自宅でカットに挑戦したあげく悲惨な髪形になった人など、実に多くの人が再開を待ちわびていたヘアカット。

ただし、ヘアサロンで通常受けられる全てのサービスが再開するわけではないので、カット以外にどのサービスが利用できるのか詳しくはお店に確認した方が無難でしょう。また、一回ごとの消毒などSOPを遵守すると対応できる客数が限定されるため、ギリギリではなくいつもより早目に予約の連絡を入れるようおすすめします。

Q. 国内は自由に移動できるのか?

これまでは、州をまたぐ移動は原則禁止 (どうしても必要な場合は事前に許可申請が必要) で移動目的も不可欠なものに限定されていましたが、RMCOでは国内移動の制限が解除され旅行を目的とした移動もOKとなります。

Q. 就労ビザで入国できるのか?

(2020年9月8日更新) 日本とマレーシアの間で、必要な防疫措置を取りつつお互いの往来を再開する「レジデンストラック」が9月8日から開始されます。「ビジネストラック」については両政府間で現在調整中とのこと。詳しくは、外務省のホームページに掲載されている「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について」をご参照ください。

政府当局は入国管理の基準を一部変更し、これまで入国を許可されていた外交官不可欠なサービスに従事している外国人に加えて、現在国外にいる主要職や技術職、メイドなど、特定職種の外国人も入国が申請できるようになりました。ただし、申請に際しては関係省庁からのサポートレターの取得や企業を通してマレーシア入国管理局に入国許可申請を送ること、事前のPCR検査で新型コロナウイルスの陰性証明を取得することなど数々の手続きが必要となっており、また申請したからといって自動的に承認されるわけでもないようです。(注:マレーシア政府は、6月24日以降日本国籍の駐在者については入国前3日以内のPCR検査を適用除外にすると発表。) 

さらに、6月19日にはイスマイル・サブリ国防大臣が外国人の入国管理について発言。長期ビザの種類ごとに入国の可否や必要な手続きが個別に設定されています。詳しくは現地日本大使館の情報「【新型コロナウイルス】駐在者等のマレーシアへの入国手続(2020年9月8日)」をご参照ください。

今後しばらくの間、海外渡航において新型コロナウイルス (COVID-19) の陰性証明は必須の書類となるはずですが、仕事や学業のための日本人渡航者が事前に国内の医療機関で任意検査を受けられるよう、日本政府が環境を整備するかどうかを在外邦人の多くが注視しています。

(2020年9月3日:追記) マレーシア政府は、就労ビザやMM2H (セカンドホーム) ビザを含む長期ビザ保有者であってもインドネシア、フィリピン、インドの3カ国からは入国を禁止すると発表。9月7日から適用となります。また、イスマイル・サブリ上級相は特に冬にかけて今後さらに同様の入国禁止措置の対象国を追加する可能性についても言及しました。これからも状況を注視する必要があります。(参考―The Star: “No entry for travellers from 3 nations“)

(2020年9月8日更新) 上記の入国禁止措置対象国が、米国、ブラジル、フランス、英国、スペイン、イタリア、ドイツ、ロシアなど計23カ国に拡大されました。先に挙げた3カ国と同じく9月7日から適用されています。マレーシア政府は、基本的に15万人以上の感染者を出している国からの入国は禁止するという基準を明らかにしています。(参考―THE EDGE: “Entry ban on countries with more than 150,000 Covid-19 cases“)

(2020年9月15日:追記) イスマイル・サブリ上級相は9月10日、上記の入国禁止措置対象国からであっても、プロフェッショナルパスを持つ外国人、駐在員、マレーシア人を配偶者に持つ外国人、ならびに永住者の入国申請を認めると述べ、先日発表した制限を一部緩和しました。(参考―The Star: “Entry ban relaxed on expats, professional visit pass-holders from 23 countries“)

(2020年7月24日更新) マレーシア政府は、入国者 (帰国者) が自主隔離を守らずクラスターが発生したケースが出ていることから、7月24日以降すべての入国者に対して政府指定施設での14日間強制隔離を再び適用すると発表しました。(参考―The Star: “Mandatory quarantine begins Friday (July 24) for all travellers coming to M’sia“)

Q. MM2Hビザで入国できるのか?

RMCO施行を待たず、すでに政府当局は5月17日以降MM2Hビザ保有者の再入国を認めると発表しています。しかし、再入国には指定の手順が必要となるので注意が必要です。詳しくは現地の日本大使館による情報マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パス保有者の再入国許可(2020年7月22日更新)」をご参照ください。また、上の項目でも触れていますが、7月24日以降はすべての入国者に14日間の強制隔離が適用されますのでご注意ください。

(2020年9月5日更新) 9月7日以降、インドネシア、フィリピン、インド、米国、ブラジル、フランス、英国、スペイン、イタリア、ドイツ、ロシアなど、感染者が15万人を超えている計23カ国のパスポートについてはMM2Hパス保有者も入国禁止となります。

Q. マッサージは行けるのか?

在住邦人の方で定期的にマッサージを受けて体の調子を整えていた方も少なくないと思いますが、マッサージのカテゴリーである「リフレクソロジー」はRMCOでも引き続き禁止される業種に入っています。状況によってはRMCO施行中に規制が変更される可能性もゼロではありませんが、今のところ再開の見込みは立っていません

(2020年7月19日:追記) 7月1日以降、リフレクソロジーも再開を許可されています。ただし、タイマッサージの資格を持つタイ人など外国人がメインで働いていた店などでは、帰国した従業員が戻って来られなくなっているところもあるようです。(参考―The Star: “Spas, wellness and reflexology centres allowed to receive customers again“)

Q. ジョギングやサイクリングはOK?

5月4日以降、お互いに安全な距離を取るのであれば屋外での運動は許可されています。

Q. プールで泳ぐのはOK?

RMCOにおいても「公共プール」の使用が引き続き禁止されていますが、7月1日以降は条件付きで再開を許可するとの発表がありました。その後、制限がより緩和されホテルのプール等も条件付きで再開されています。

Q. 学校は再開されるのか?

教育機関の再開に関して、マレーシア政府は慎重に判断を進めています。RMCOにおいて学校を段階的に再開することは発表されましたが、小中高また大学ではそれぞれリスクが違うため同じ基準で一斉に再開することは現実的ではありません。さらに地元の公立校とインターナショナルスクールを含む私立校とでは、学校の予算や、生徒および教員の背景も大きく異なります。今後は策定される詳細なSOP (手順書) に従いつつ、各学校ごとに学校施設や教職員の状況に応じて適切な対応を取ることになると思われます。

6月24日以降、全国で公立の中等学校 (Secondary School)再開7月15日からはその他の公立学校も順次再開されています。

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まとめ

5月から6月初めにかけて続いた条件付き活動制限令 (CMCO) では、外国人労働者の間での集団感染が大きく目立ちました。CMCOがほぼ終了する現時点でも、一定の間隔で不法滞在者を中心とした3ケタの新規感染者が報告されています。

人の移動が多くなるイスラム教の断食明けの祝祭であるハリラヤを終えても思ったほどの感染拡大が起きなかったこと、またここ数週間の感染者の多くが衛生面で劣悪な住環境で生活する外国人労働者であることなどから、政府当局は市中感染がある程度抑えられていると判断し、今回の回復のための活動制限令 (RMCO) 施行に踏み切ったようです。

当初は州をまたぐ移動の制限は続くだろうというのが大方の予想でしたが、それを覆す形で国内移動の制限が解除されることになりました。そこには、とりわけホテルを含めた観光業界が新型コロナウイルス感染拡大によって非常に大きなダメージを受けており、とりあえず国内旅行だけでも再開させて何とかつなぎたいという事情が垣間見えます。

日本の場合は元々国内で経済を回せる力を持っており、インバウンドがどうとか言い出したのはここ最近のことです。しかし、マレーシアは長期にわたって観光収入をメインとしている業界や街も多く、今回のようにシンガポールも含めた外国からの入国者がほぼゼロになっている状態で長く耐えることはできません。すでに観光客が多く訪れるクアラルンプールやマラッカなどの都市では、有名なホテルを含め宿泊施設が次々と閉業している現実が見られます。多少のリスクがあったとしても、これ以上経済に影響を与えるのを黙って見てはいられないというのが当局の本音ではないかと思います。

Shops by the river in Melaka

観光都市マラッカ by Sharon Ang on Pixabay

地元のマレーシア人の中では「新型コロナはもう終わった」という雰囲気が生まれてきており、この状態でもし感染が拡大し始めると歯止めが利かなくなる可能性もあります。これまでは様々な経済的・社会的規制があったため物理的に感染リスクが下がっていたわけですが、今後制限をほぼ解除した上で感染を抑えられるかどうかが重要であり、これからRMCO終了予定の12月末にかけて出口戦略を成功させる途上ではまだまだ警戒が必要です。周りに流されるのではなく、自分でしっかりとリスク判断して行動するよう意識することがこれまで以上に大切となるでしょう。

(編集後記):本記事では出来るだけ正確な情報をお伝えするよう努力していますが、制限や法令の内容は日々変化しています。重要な決定に際しては、必ず公的機関による最新情報をご確認ください。

(2020年9月15日:テキスト追加・修正)

[参考資料]

(2020年6月7日) 【新型コロナウイルス】条件付き活動制限令(CMCO)の終了及び回復のための活動制限令(RMCO)の発令について. 在マレーシア日本国大使館, URL: https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_05072020.html (参照日:2020年6月8日)


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マレーシアのクアラルンプール在住。

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