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【マレーシア】回復のための活動制限令 (Recovery MCO) で何が変わるか

投稿日:2020年6月8日 更新日:


KLCC in day time

当ブログではこれまで「【新型コロナ (COVID-19)】マレーシアの感染状況は?」と「【マレーシア】条件付き活動制限令 (Conditional MCO) で何が変わるか」などの記事で現地の情報をお伝えしていますが、経済ならびに社会活動における規制をさらに緩和した回復のための活動制限令 (Recovery MCO) が6月10日より施行されることに伴い、明らかになっている点をお伝えしたいと思います。

回復のための活動制限令 (RMCO) の概要

ポイント

・公衆衛生の強化

・法とその執行

・国境管理の徹底

・経済セクターの完全な再開

・ニューノーマル (※ いわゆる「新しい生活様式」)

・コミュニティの責任強化

・ハイリスク グループの保護 (※高齢者など)

経済活動

・新たに再開する業種 (理容・美容室、各種市場、フードコート、屋台、フードトラック、博物館・美術館、コインランドリーなど)

・会議やワークショップ、屋外での商業活動も許可

引き続き禁止される業種 (パブ、ナイトクラブ、カラオケ、娯楽施設、リフレクソロジー、テーマパーク、その他 人が密集する活動など)

・活動再開にあたってはSOP (手順書) を遵守すること

(2020年6月24日:追記) 政府は、7月1日より映画館ライブイベントの再開を条件付きで許可すると発表。ただし、人数は250人を超えない規模に制限されるとのこと。(参考―The Star: “Ismail Sabri: Cinema, pools and live events allowed from July 1, SOPs apply“)

スポーツ

身体の接触がない屋外活動は基本的に許可 (ジョギング、サイクリング、ツーリングなど)

引き続き禁止されるもの(スポーツ大会など大勢の観衆を伴う活動。ラグビー、サッカー、バスケットボールなど人との接触を伴う活動。公共プールの使用。)

(2020年6月24日:追記) 政府は、7月1日よりプールの再開を条件付きで許可すると発表。自宅コンドミニアムやホテル宿泊時のプール利用を待っていた人たちにとっては朗報です。(参考―The Star: “Ismail Sabri: Cinema, pools and live events allowed from July 1, SOPs apply“)

宗教活動

人が密集する宗教活動は引き続き禁止

・一部の宗教活動については、人数や年齢の制限などを含むSOP (手順書) に基づいて許可

国内での移動

・州をまたぐ移動を含め国内移動の制限を解除 (国内旅行を目的とする移動も許可)

学校

SOP (手順書) に基づいて段階的に教育機関を再開

(2020年6月24日:追記) マレーシア教育省は、6月24日より全国の中等学校 (Secondary School)再開すると発表。(参考―The Star: “It’s a date: Secondary schools reopen on June 24, exam cohorts get first dibs“)

回復のための活動制限令 (RMCO) に関する疑問

RMCOにおいては経済的および社会的活動の制限が一部を除きほぼ解除されることになりますが、それぞれの分野で政府が決定したSOP (手順書) に従う必要があります。また、同制限令が終了する8月31日までは厳格な入国制限が継続され、マレーシア人の出国禁止措置も続きます

RMCO施行後はマレーシア内での活動はかなり自由になるとはいえ、今後集団感染が発生するなど状況が変化した場合は再び規制が厳しくなることも考えられます。経済的な事情からも活動を再開せざるを得ない側面があると思いますが、制限令が完全に解除されるまでは不必要な外出を避けるといった個人の努力が求められていると考えてよいでしょう。

Q. 散髪には行けるのか?

条件付き活動制限令 (CMCO) では禁止されていた理容・美容室の営業が、RMCOでついに許可されることとなりました。これまでほぼ3ヶ月にわたってボサボサになりながら我慢した人、あるいは自宅でカットに挑戦したあげく悲惨な髪形になった人など、実に多くの人が再開を待ちわびていたヘアカット。

ただし、ヘアサロンで通常受けられる全てのサービスが再開するわけではないので、カット以外にどのサービスが利用できるのか詳しくはお店に確認した方が無難でしょう。また、一回ごとの消毒などSOPを遵守すると対応できる客数が限定されるため、ギリギリではなくいつもより早目に予約の連絡を入れるようおすすめします。

Q. 国内は自由に移動できるのか?

これまでは、州をまたぐ移動は原則禁止 (どうしても必要な場合は事前に許可申請が必要) で移動目的も不可欠なものに限定されていましたが、RMCOでは国内移動の制限が解除され旅行を目的とした移動もOKとなります。ただし、解除直後は家族や親戚に会うためマレーシア人が一斉に移動を始める可能性が高く、特にRMCO施行後最初の週末などは各地で渋滞がひどくなることも予想されます。在住邦人の方で、急ぎでないのであれば最初の数日は様子を見ておいた方が時間の無駄を避けられるかと思います。

Q. 就労ビザで入国できるのか?

政府当局は入国管理の基準を一部変更し、これまで入国を許可されていた外交官不可欠なサービスに従事している外国人に加えて、現在国外にいる主要職や技術職、メイドなど、特定職種の外国人も入国が申請できるようになりました。ただし、申請に際しては関係省庁からのサポートレターの取得や企業を通してマレーシア入国管理局に入国許可申請を送ること、事前のPCR検査で新型コロナウイルスの陰性証明を取得することなど数々の手続きが必要となっており、また申請したからといって自動的に承認されるわけでもないようです。(注:マレーシア政府は、6月24日以降日本国籍の駐在者については入国前3日以内のPCR検査を適用除外にすると発表。) 詳しくは現地日本大使館の情報「一部の駐在者等のマレーシア入国時に必要な手続(2020年6月24日)」をご参照ください。

さらに、6月19日にはイスマイル・サブリ国防大臣が外国人の入国管理について発言。長期ビザの種類ごとに入国の可否や必要な手続きを個別に設定し、さらに政府が指定するグリーンゾーン国からの入国者には検疫期間 (自主隔離) の免除なども検討されているとのこと。詳しくは現地日本大使館の情報「マレーシア入国時に必要な手続(2020年6月19日)」をご覧ください。

今後しばらくの間、海外渡航において新型コロナウイルス (COVID-19) の陰性証明は必須の書類となるはずですが、仕事や学業のための日本人渡航者が事前に国内の医療機関で任意検査を受けられるよう、日本政府が環境を整備するかどうかを在外邦人の多くが注視しています。

(2020年6月24日:追記) 入国制限が緩和されるというニュースを受け、在住外国人の中には一時帰国してまたマレーシアに戻れるようになったのではないかと考えている人も少なくないようです。しかし、KLにある外資系機関の担当者が入国管理局に確認したところ、制限の緩和はマレーシアの長期ビザ保有者かつ現在国外から戻って来られなくなっている人が対象で、これから出国する外国人の再入国を保証するものではないとのこと。また、大臣がメディアに発言した内容であっても関係省庁には正式な通知が来ていない場合もあるようで、報道された内容が先走っているという側面も否定できません。

様々な理由で一時帰国したいという気持ちは分かりますが、現時点で見切り発車で出国するのは大きなリスクがあるため、やむを得ない場合を除き自社の外国人従業員に出国しないよう求めている企業も少なくないと思われます。

Q. MM2Hビザで入国できるのか?

RMCO施行を待たず、すでに政府当局は5月17日以降MM2Hビザ保有者の再入国を認めると発表しています。しかし、再入国には以下の手順が必要となるので注意が必要です。(2020年6月21日現在)

・事前に指定されたGoogleフォームで観光・芸術・文化省へのデータ登録

・登録されたデータに基づいて当局が再入国許可を交付

マレーシアへ到着する14日以内に新型コロナウイルス (COVID-19) 検査結果 (陰性)を取得

・マレーシア到着後、保健省に登録した住所での14日間自主隔離 (マレーシア政府が指定するグリーンゾーン国からの入国者を除く)

詳しくは現地の日本大使館による情報マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)パス保有者の再入国許可(2020年6月16日更新)」をご参照ください。

先にも述べましたが、任意でPCR検査を受けられない日本の場合は陰性証明の取得が大きな問題となります。日本に拠点を持つセカンドホーム (MM2H) ビザ保持者の場合、残念ながらRMCO施行後もマレーシアへの再入国は実質不可能と言えます。

Q. マッサージは行けるのか?

在住邦人の方で定期的にマッサージを受けて体の調子を整えていた方も少なくないと思いますが、マッサージのカテゴリーである「リフレクソロジー」はRMCOでも引き続き禁止される業種に入っています。状況によってはRMCO施行中に規制が変更される可能性もゼロではありませんが、今のところ再開の見込みは立っていません。

Q. ジョギングは一緒に何人までOK?

すでに5月4日以降、お互いに安全な距離を取るのであれば屋外での運動は許可されています。これまでは10人以下のグループであれば一緒に行ってもよいという人数制限がありましたが、RMCOでも同じSOPが適用されるのかどうか詳細が待たれます。

Q. プールで泳ぐのはOK?

RMCOにおいても「公共プール」の使用が引き続き禁止されていますが、7月1日以降は条件付きで再開を許可するとの発表がありました。(現在でも、ホテル部屋付きのプールなどプライベートなものは “公共”ではないため使用できるところもあるようです)

Q. 学校は再開されるのか?

教育機関の再開に関して、マレーシア政府は慎重に判断を進めています。RMCOにおいて学校を段階的に再開することは発表されましたが、小中高また大学ではそれぞれリスクが違うため同じ基準で一斉に再開することは現実的ではありません。さらに地元の公立校とインターナショナルスクールを含む私立校とでは、学校の予算や、生徒および教員の背景も大きく異なります。今後は策定される詳細なSOP (手順書) に従いつつ、各学校ごとに学校施設や教職員の状況に応じて適切な対応を取ることになると思われます。

6月24日以降、全国で中等学校 (Secondary School)再開されました。

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まとめ

5月から6月初めにかけて続いた条件付き活動制限令 (CMCO) では、外国人労働者の間での集団感染が大きく目立ちました。CMCOがほぼ終了する現時点でも、一定の間隔で不法滞在者を中心とした3ケタの新規感染者が報告されています。

人の移動が多くなるイスラム教の断食明けの祝祭であるハリラヤを終えても思ったほどの感染拡大が起きなかったこと、またここ数週間の感染者の多くが衛生面で劣悪な住環境で生活する外国人労働者であることなどから、政府当局は市中感染がある程度抑えられていると判断し、今回の回復のための活動制限令 (RMCO) 施行に踏み切ったようです。

当初は州をまたぐ移動の制限は続くだろうというのが大方の予想でしたが、それを覆す形で国内移動の制限が解除されることになりました。そこには、とりわけホテルを含めた観光業界が新型コロナウイルス感染拡大によって非常に大きなダメージを受けており、とりあえず国内旅行だけでも再開させて何とかつなぎたいという事情が垣間見えます。

日本の場合は元々国内で経済を回せる力を持っており、インバウンドがどうとか言い出したのはここ最近のことです。しかし、マレーシアは長期にわたって観光収入をメインとしている業界や街も多く、今回のようにシンガポールも含めた外国からの入国者がほぼゼロになっている状態で長く耐えることはできません。すでに観光客が多く訪れるクアラルンプールやマラッカなどの都市では、有名なホテルを含め宿泊施設が次々と閉業している現実が見られます。多少のリスクがあったとしても、これ以上経済に影響を与えるのを黙って見てはいられないというのが当局の本音ではないかと思います。

Shops by the river in Melaka

観光都市マラッカ by Sharon Ang on Pixabay

地元のマレーシア人の中では「新型コロナはもう終わった」という雰囲気が生まれてきており、この状態でもし感染が拡大し始めると歯止めが利かなくなる可能性もあります。これまでは様々な経済的・社会的規制があったため物理的に感染リスクが下がっていたわけですが、今後制限をほぼ解除した上で感染を抑えられるかどうかが重要であり、これから8月末にかけて出口戦略を成功させる途上ではまだまだ警戒が必要です。周りに流されるのではなく、自分でしっかりとリスク判断して行動するよう意識することがこれまで以上に大切となるでしょう。

(編集後記):本記事では出来るだけ正確な情報をお伝えするよう努力していますが、制限や法令の内容は日々変化しています。重要な決定に際しては、必ず公的機関による最新情報をご確認ください。

(2020年6月24日:テキスト追加・修正)

[参考資料]

(2020年6月7日) 【新型コロナウイルス】条件付き活動制限令(CMCO)の終了及び回復のための活動制限令(RMCO)の発令について. 在マレーシア日本国大使館, URL: https://www.my.emb-japan.go.jp/itpr_ja/newinfo_05072020.html (参照日:2020年6月8日)


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マレーシアのクアラルンプール在住。

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