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【マレーシア】運転中に携帯電話を膝に置くと重大違反扱いに

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うっかり“膝の上スマホ”は厳禁

運転中の携帯電話操作はほとんどの国で法令により禁止されていますが、運転に支障のない仕方に限りスマホでナビを使うことやスピーカーモードでの通話は認められていることが多いもの。日本でも2019年12月以降「ながら運転」が厳罰化され、手に持っての使用や画面を注視することは重い罰則を課される違反となっています。ただ、携帯を「保持して」の使用は違反対象ですが、ハンズフリーで通話する場合は手に持っていない限り違反にはなりません。しかし、マレーシアではこの点でより厳しい法令となっているので注意が必要です。

マレーシア警察によると、運転中に携帯電話を使う際はホルダーにセットしておく必要があり、膝の上に載せて使用した場合は初回違反の場合で最高RM1,000 (約3万円) の罰金、または最長3ヶ月の刑期が適用されるとのこと。少額の反則金を払えば済む軽微な違反に対し、裁判所 (magistrate) への出頭が求められる重大な法令違反扱いになります。(参考:The Star: “No using phone on the lap while driving“)

つまり、ハンズフリーだからといって膝の上に携帯を置いて通話していると、日本では大丈夫でもマレーシアの警察には捕まる可能性があるということです。通話にしろナビの使用にしろ、運転する際うっかり膝の上にスマホを置くことは絶対にやめましょう(注:日本ではスマホを膝の上に置いてハンズフリーで通話したりナビアプリの音声を聞いたりすること自体は違反になりませんが、使用中またはその前後に携帯を手で操作した、または前方から目を離して画面を見た場合は、運転中であれば携帯の「保持」や「画像注視」として違反対象になります。)

ただ、ホルダーに固定していようがいまいが、スマホの操作に気を取られると事故の確率が格段に上がるのは確かです。そもそも交通事故が非常に多いマレーシアでは、こうした「ながら運転」の規制が厳しくなっても当然という背景があります。

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マレーシアの交通事故は日本の70年代より悪い

マレーシア在住の方であれば、肌感覚として交通事故が多いというのは感じておられることでしょう。実際、新型コロナ前の2019年の統計で考えてみると、当時のマレーシア国内での自動車保有台数がおよそ3,120万台なのに対し、交通事故件数は56万7,516件死者が6,167名となっています。(データ出典:マレーシア運輸省 “Road Accidents and Fatalities in Malaysia“) 

日本の場合、同年の自動車保有台数は7,814万台、交通事故件数は38万1,237件、死者は3,215名でした。マレーシアの自動車の数は日本の半分以下にも関わらず、死者数は日本の約2倍なのです。

また、保有台数に対する事故件数の割合で見ると、マレーシアは約1.82%、日本は約0.49%と4倍近い大きな開きがあり、これは単純に言えばマレーシアでは日本の4倍もの事故が起きているということになります。交通事故による死者数も、人口比で考えるとマレーシアでは10万人あたり19人 (0.019%) なのに対し、日本では10万人あたり2.5人 (0.0025%) とじつに7倍以上もの差があるのです。(データ出典:内閣府「交通安全白書」財団法人 自動車検査登録情報協会「自動車保有台数」)

“交通戦争”という言葉も生まれるほど、日本で最も交通事故死者数が多かった1970年前後ですら人口10万人あたり16人 (年間死者1万6,000人超) だったことを考えると、それよりもっと悪いマレーシアの交通事情というのがどのようなものかが実感できるでしょう。(注:マレーシアで交通事故死者7,152名を記録した2016年には、人口10万人あたり23人まで上昇)

事故らないためにはメンテも大事

by Skica911 on Pixabay

運転中のスマホ使用についての法令が厳しい云々は別にして、マレーシアでできるだけ事故に遭わないためには日本以上に注意を払って運転することが求められます。(後ろから突っ込まれる、事故ったバイクが飛んでくるといった、自分ではどうしようもない状況はありますが。)

また、日本のような車検制度がないマレーシアだけに、普段から信頼できるお店で定期的なメンテナンスを行っておくことも、事故予防の観点から見て重要なポイントです。特にタイヤとブレーキは、何かあった時に急停止/回避できるかどうかのカギとなるだけに、ケチって格安タイヤなどはつけない方がいいでしょう。(急ブレーキが必要な場面には、日本よりはるかに頻繁に出くわします。)

個人的には、少し値段が高くても定評のあるタイヤメーカーの特にウェット路面に強いタイプがお勧めです。路面状況が悪い中で急制動した時の1m、2mの停止距離の差というのが、事故になるかならないかの違いになることも少なくありません。

ただし、タイヤ屋さんの中にはタイヤ交換のついでにエンジンルームを開けてアレもコレも替えさせようとするところがあるので注意しましょう。「◯△の状態がかなり悪いのですぐ交換した方がいい」などの常套句でビビらせてきますが、普段ちゃんとメンテしてもらっているお店で自分の車の状態を定期的に確認しておけば、そういった商売上手な手口に乗せられないよう対応できます。

イライラさせられることも多いマレーシアの交通事情ですが、事故や警察のお世話にならないよう皆さま安全にドライブをお楽しみください。

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