これまで当ブログ記事「【新型コロナ (COVID-19)】マレーシアの感染状況は?」にて情報を随時更新していましたが、感染者の急増や状況の変化により元記事の追加・修正では最新の情報をお伝えしにくくなってきましたので、今後は地元の現状で注目できる点を別記事として作成していきたいと思います。
本記事の情報は2020年3月当時のものです。現在の状況とは内容が異なる点がありますのでご了承ください。
(2020年3月11日) 世界保健機関 (WHO) は、新型コロナウイルス (COVID-19) の感染が世界的な大流行である“パンデミック”の状態にあると表明しました。
※パンデミックとは:「国を越えた感染拡大のコントロールが利かず、地球上のあらゆる人に感染の可能性がある状態」
(参考―日経新聞:「WHO事務局長、新型コロナ「パンデミック」と表明」)
急に増えてきた体温検査
2月の後半は約2週間ほどマレーシア国内での新たな感染者が報告されず小康状態となっていましたが、その後いわゆる“スーパースプレッダー”となった感染者が出たこともあり、3月初めの1週間で感染者の数が約4倍に急増しています。
これまで感染者が出たとしても、海外への渡航歴があったりまたはその家族であったりと比較的限られた範囲での感染だったため、感染の拡大を身近に感じることはありませんでした。しかし、ここ数日で医療関係者、学校関係者、政治家、銀行関係者などに感染者または感染の疑いがある人が出てきており、地元での感染予防措置にも変化が見られています。
手洗いやうがいは初期の頃から奨励されており、マスクやハンドサニタイザー (手指の消毒液) が品薄になる状態が続いていました。しかしここ数日で、早期に体温検査を導入していたインターナショナルスクール各校に加えて、Maybankなどの銀行やコンドミニアム、またマッサージやフェイシャルなど接客業店舗での体温検査を行うケースが増えてきました。
新型コロナウイルスは発症前でも他の人に感染すると見られているので体温検査だけで防げるものではありませんが、日本でも熱があるのに動き回る人が感染を広げたケースが報告されているのを目にすると、発熱をチェックすることに一定の予防効果はあるんだろうと思います。
ただし、マレーシアの場合は肝心の体温計が正確かどうか疑問に感じることもあります。ある施設のチェックポイントでは、自分の体温が気になった来訪者が「何度でしたか?」と聞くと、警備員が笑顔で「32℃だからOKです」と。いや、それOKじゃなくてもう死んでますから (笑)。この体温計だと、仮に熱が40度あったとしても“マイナス4度補正”で平熱になっちゃうんでしょうね。そもそも、平熱が何度かも知らない警備員に体温検査を任せるのもどうなんだろうと思いますが、これも「マレーシア・ボレ (Malaysia boleh. = 「マレーシアだから何でもOK~」とごまかす時の定型表現)」の一例です。
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大規模なイベントの禁止も
日本では政府が大規模イベントの自粛を要請したこともあり、コンサートやスポーツイベントなどの延期や中止が相次いでいますが、マレーシアでも少しずつそういった動きが出てきました。
報道によると、首都クアラルンプール周辺に位置するセランゴール州プチョンのカトリック教会で、教会員の一人が新型コロナウイルス (COVID-19) への感染が発覚。地元に住む知人の情報によると、ここはかなり大規模な教会で普段から大勢の信者が集まっているということで、感染の拡大がどの程度になるのか当局も接触者の追跡調査をしながら注視しています。クリスチャン以外にも、イスラム教国であるマレーシアは毎週金曜日には各地のモスクで信者が集まって礼拝を行っており、新型コロナの感染がさらに拡大すると大勢が集まる宗教行事についても何らかの規制は避けられないのではないかと見られています。
こうした状況の中、3月7日にアミルディン・シャリ (Datuk Seri Amirudin Shari) セランゴール州知事は、州内での「1,000人規模のイベントは当面延期」するよう要請しました。KLCC (KLコンベンションセンター) をはじめとする大規模イベント会場を複数抱える首都KLでも、今後の状況次第では同様の要請が行われる可能性は高いでしょう。
(参考―The Star (英語):”Puchong church member tests positive for Covid-19” / “S’gor to come up with measures to contain Covid-19 on March 11“)
KL周辺で複数インター校が休校
今のところマレーシアでは政府による休校措置は取られていませんが、セランゴール州の Tropicana Golf & Country Resort 近くのインター校は、数日前に学校関係者に感染者が出たため休校している模様です。はっきりとした詳細は公表されていませんが、首都近郊では複数のインターナショナルスクールで感染者が出たことにより休校となっているようです。こうなると、他の学校でも感染者が見つかるのは時間の問題で、その他のインター校でもいよいよ現実味を帯びてきた休校に備えて動きが慌ただしくなってきています。
マレーシアの公立学校はもうすぐ1週間の春休みの時期ですが、状況次第では政府により休みの延長などの措置が取られる可能性もあるかもしれません。
現在マレーシア滞在中です。
毎朝夕、当サイトをチェックしていましたが、今日からの全外国人入国禁止に伴い、連泊予約していたメルキュールホテルも今日の1泊だけで明日は営業中止だとか。
現在マレーシア滞在中の旅行者は、大変なことになりそうです。とりあえず、明日の宿を確保できるかという問題が発生していますが、ホテルの営業停止ってやりすぎではないかという気がします。
滞在中の外国人、それなりにいるはずなので、今後の情報がありましたら発信をお願いします。
R923E さま、
コメントありがとうございます。明日3月18日から施行される活動制限令は、細部まで詰めずに発表されたのではないかと思える内容で各業界に大きな混乱が見られているようです。
ご指摘のホテルの営業についてですが、明らかになっている情報によると現在ホテル業界代表と観光省の間で詳細を協議中だとのことです。報道では「制限令の期間中にどうやってホテルを機能させればよいかを話し合っている」としており、宿泊客にもホテル側にも甚大な影響がある一律の営業停止はどうにかして避ける方向ではないかと思われます。
本件の詳細が明らかになり次第、当ブログの記事に情報を反映する予定です。滞在中の外国人の方々にとっては大変な状況になっていますが、事態がある程度無難なところに落ち着くことを願っております。
よろしくお願いいたします。