コーヒーの品種ノートです。
オバタ (Obata)
由来: | サルチモール (T-5296) の品種改良種 |
豆のサイズ: | 大きい |
収穫量: | 多い |
風味の質: | 良い |
初回収穫: | 3年目 |
さび病: | 耐性あり |
炭疽病: | 耐性不明 |
線虫: | 耐性不明 |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,000~1,600m 北緯/南緯5度~15度:700~1,300m 北緯/南緯15度以上:400~1,000m |
オバタの歴史
オバタはビジャサルチとティモール・ハイブリッドの交配種であるサルチモールの一種です。さび病に強いティモール・ハイブリッドの遺伝子により、オバタもさび病への耐性を持っています。(詳細については、品種ノート「サルチモールとは?」をご参照ください)
1970年代に各国の研究機関で試験生産が行われていたサルチモールですが、その中でもコスタリカの熱帯農業研究教育センター (CATIE) で研究対象となっていた品種にT5296というカタログ番号が与えられます。そこから、ブラジル・サンパウロ州のカンピーナス農業試験場 (IAC) にてこの品種にさらなる選別を繰り返し、最終的に開発された品種の一つにつけられた名前がオバタです。
オバタはブラジルで2000年にリリースされましたが、その後2014年にコスタリカへと持ち込まれ、国立コーヒー協会研究所 (CICAFE) により商業生産向けに提供が始まりました。まだ珍しいものの、ここ最近ちらほらと見かけるようになってきている品種です。語感が日本人にはなじみやすい品種名なので、一度目にするとかなり印象に残るのではないかと思います。
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[参考資料]
World Coffee Research (2016) 「COFFEE VARIETIES of Mesoamerica and the Caribbean」, URL: https://worldcoffeeresearch.org/media/documents/Coffee_Varieties_of_Mesoamerica_and_the_Caribbean_20160609.pdf (参照日:2018年3月15日)