先月 (2020年10月) に首都圏クランバレーの120万世帯に影響を及ぼした大規模断水に続き、同規模の断水がまたまたまた発生しました。(思わず皮肉で「3週間ぶりの」とタイトルに入れてしまう程)
断水の概要
水道事業者のAir Selangorは11月10日、首都圏に水道を供給している4つの浄水施設について取水源で異臭が確認されたため稼働を停止。断水は10日午後6時頃から始まり、約114万世帯が影響を受ける模様。(参考―The Star: “Odour pollution in Sg Selangor again, water cuts again, 1.1mil+ accounts affected“)
今回の汚染源は何らかの揮発性物質と見られています。マレーシアの場合、汚染が確認されると上流のダムから一気に水を放流することで希釈して洗い流すという手段を取ります。今回も、2つのダムから計8億リットル/日の放流を予定しているとのこと。当然ながら、「水資源の何という無駄遣いだ」という声も毎回上がっています。
CMCO中2度目の大規模断水
今回も、異臭を検知してすぐに浄水施設を停止させたこと自体は評価されています。水道事業者のAir Selangorを責める声もありますが、利用者の怒りの多くは環境省や関係省庁に向かっています。これだけ汚染による断水が続きながら、汚染を防ぐための法整備や法執行の強化などが全く見られず毎回同じ原因で水道施設を止めざるを得ないというのは、マレーシアぐらいの国であれば特に首都圏で起こしてはならない事態でしょう。
今回の断水がもし大幅に長引くようなことがあれば、度重なる断水、CMCOによる行動制限、州をまたぐ帰省の禁止などですでにストレスが相当溜まっている市民の声はますます荒れることが予想されます。
(2020年11月11日:テキスト修正)