コーヒーの品種ノートです。
ムンドノーボ (Mundo Novo)
由来: | ティピカとブルボンの自然交配種 |
豆のサイズ: | やや小さい |
収穫量: | 多い |
風味の質: | 良好 |
初回収穫: | 3年目 |
さび病: | 耐性低い |
炭疽病: | 耐性低い |
線虫: | 耐性低い |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,600m以上 北緯/南緯5度~15度:1,300m以上 北緯/南緯15度以上:1,000m以上 ※ペルーでは1,500m以上 |
ムンドノーボの歴史
今から約70年以上前の1943年、現在のブラジル・サンパウロ州ウルペス (Urupês) でティピカ種のスマトラとブルボン種が自然交配した品種が発見され、当時の地名にちなんで「ムンドノーボ (Mundo Novo)」と名づけられます。約10年をかけて試験と選別が行われた後、1950年代前半からムンドノーボはブラジル各地の農園へと導入されます。元々は「スマトラ・ド・ムンドノーボ」と呼ばれたこの品種は、丈夫で収穫量が多く環境への適応性も高いことから南米を中心に広く栽培されるようになり、特にブラジルでは生産されるコーヒーの中でもムンドノーボが依然として高い割合を占めています。
一方でこの品種の特徴の一つでもある非常に高い樹高は、栽培や収穫において生産者に余計な労力を強いることになります。そのため、コスタリカなど中米諸国の農園では不人気であまり受け入れられず、広く栽培されるには至りませんでした。しかし後に、ムンドノーボと矮小種を交配することにより、ネックであった樹高を低くしたカトゥアイという品種が開発されることになります。
ちなみに、生産量は多くありませんが日本でも沖縄でムンドノーボが栽培されており、英語名で「ニューワールド」と呼ばれています。
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[参考資料]
World Coffee Research (2016) 「COFFEE VARIETIES of Mesoamerica and the Caribbean」, URL: https://worldcoffeeresearch.org/media/documents/Coffee_Varieties_of_Mesoamerica_and_the_Caribbean_20160609.pdf (参照日:2018年3月15日)
INSTITUTO AGRONÔMICO – CAMPINAS (2001) 「DESCRITORES PARA CARACTERIZAÇÃO DE CULTIVARES E LINHAGENS DE CAFÉ TIPO ARÁBICA」, URL: http://www.iac.sp.gov.br/areadoinstituto/posgraduacao/dissertacoes/pb1804704.pdf (参照日:2018年4月6日)