コーヒーの品種ノートです。
ブルボン (Bourbon)
由来: | イエメン原種 |
豆のサイズ: | やや小さい |
収穫量: | やや少ない |
風味の質: | とても良い |
初回収穫: | 4年目 |
さび病: | 耐性低い |
炭疽病: | 耐性低い |
線虫: | 耐性低い |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,600m以上 北緯/南緯5度~15度:1,300m以上 北緯/南緯15度以上:1,000m以上 |
ブルボンの歴史
ティピカと同じくブルボンは非常に古くからある品種で、その始まりは西暦1700年代前半までさかのぼります。
インド洋上に浮かぶ、当時すでにフランス領となっていたブルボン島 (現在のレユニオン島) で、1715年から1718年にかけてフランス人宣教師が中東のイエメンから持ち込んだコーヒーが栽培されるようになります。そして島にちなんでつけられた「ブルボン」という名前が、品種名として今日まで残ることとなりました。
1800年代中頃からブルボンは世界中に広まっていきますが、ここでも宣教師が重要な役割を果たしました。
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宣教師がまずレユニオン島に布教団を設立したのが1841年でした。そこから1859年に当時のザンジバル、そして1862年にはタンガニーカへ (後にタンガニーカとザンジバルが併合し、現在のタンザニアとなる)、さらに1800年代後半にかけてはケニアへとアフリカ各地に布教団を設立してゆきます。こうしたキリスト教の伝播と共に、宣教師によって持ち込まれたブルボンもそれぞれの土地でアフリカの大地に根を下ろしていきました。とりわけフランス人宣教師により東アフリカ地域に伝えられたブルボンは、今日ではその由来から「フレンチミッション」という呼び名でも知られています。
またちょうど同じ時期、南米でも1860年頃に現在のブラジル・サンパウロ州あたりにブルボンが持ち込まれ、そこからブルボン系統のコーヒー栽培がラテンアメリカ全域へと広がってゆくことになったのです。
(2018年9月09日:テキスト追加)
[参考資料]
World Coffee Research (2016) 「COFFEE VARIETIES of Mesoamerica and the Caribbean」, URL: https://worldcoffeeresearch.org/media/documents/Coffee_Varieties_of_Mesoamerica_and_the_Caribbean_20160609.pdf (参照日:2018年3月15日)