コーヒーの品種ノートです。
SL-28
由来: | タンガニーカ乾燥耐性ブルボン種 |
豆のサイズ: | 大きい |
収穫量: | やや少ない |
風味の質: | 素晴らしく良い |
初回収穫: | 3年目 |
さび病: | 耐性低い |
炭疽病: | 耐性低い |
線虫: | 耐性低い |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,200m以上 北緯/南緯5度~15度:900m以上 北緯/南緯15度以上:700m以上 |
SL-28の歴史
はじめに、まるでコードネームのようなこの変わった品種名はどこから来たのでしょうか。
20世紀初頭、当時イギリスの植民地であったケニアに「スコット農業研究所 (Scott Agricultural Laboratories)」という機関が設立されます。そこではコーヒーの研究開発も行われており、選別による品種改良を経て生まれたコーヒーに当研究所の頭文字を取って「SL」というコードが付けられました。この研究所コードとシリアル番号を組み合わせたものがそのまま品種名となったため、コードネームのような名前が生まれたというわけです。
SL-28の由来は1930年代にまでさかのぼります。アフリカ東部に位置する当時のタンガニーカでコーヒーの植生を観察していたスコット研究所の研究員が、この種が乾燥耐性を持っている可能性に気づき、1931年にそのコーヒーの種子を持ち帰ります。研究所で栽培した結果、この種が乾燥耐性に加えて優れた風味特性も持つことが確認され、SL-28というコードをつけられたこの品種が広く栽培されるようになりました。
現在、SL-28はケニアやウガンダをはじめとするアフリカの国々、またラテンアメリカの一部でも栽培されています。
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[参考資料]
World Coffee Research (2016) 「COFFEE VARIETIES of Mesoamerica and the Caribbean」, URL: https://worldcoffeeresearch.org/media/documents/Coffee_Varieties_of_Mesoamerica_and_the_Caribbean_20160609.pdf (参照日:2018年3月15日)
The Scott Agricultural Laboratories, Nairobi. The East African Agricultural Journal. 1936 January, p.297, URL: https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/03670074.1936.11663670?journalCode=teaf19# (参照日:2018年3月28日)