コーヒーの品種ノートです。
テキシック (Tekisic)
由来: | ブルボンの選別種 |
豆のサイズ: | やや小さい |
収穫量: | 平均的 |
風味の質: | とても良い |
初回収穫: | 4年目 |
さび病: | 耐性低い |
炭疽病: | 耐性低い |
線虫: | 耐性低い |
栽培適正標高: | 北緯5度~南緯5度:1,600m以上 北緯/南緯5度~15度:1,300m以上 北緯/南緯15度以上:1,000m以上 |
テキシックの歴史
テキシックはアラビカ種の代表的品種の一つであるブルボンから選別により改良された品種で、「ブルボン・テキシック」と呼ばれることもあります。(ブルボンについての詳細は、当ブログの記事「【コーヒー品種】ブルボンとは?」をご参照ください。)
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1860年頃に現在のブラジル・サンパウロ州あたりに持ち込まれたブルボンは、その後ラテンアメリカ全体へと栽培が広がっていきました。その中で、エルサルバドル・コーヒー研究所 (ISIC) にて品種の選別・改良が進められます。1949年から大規模選別による品種改良が行われ、好ましい特徴を持つ個体を選別して栽培し、生育・収穫したら再び選別するというプロセスを約30年かけて繰り返し、ついに1977年にリリースされた品種がテキシックです。
風味特性の良さなど基本的にブルボンの特徴を引き継いでいるテキシックですが、特に中程度の標高における栽培ではブルボンと比べてより多く収穫できるというのが生産者にとってのメリットとなっています。品種改良でしばしば目標とされる病害耐性の向上についてはあまり見られず、ブルボンと比較して特に大きな違いはありません。(どちらも耐性が低い)
こうした長期間にわたり選別・改良が行われたテキシックは、現在では元のブルボンと合わせてエルサルバドルのコーヒー栽培においておよそ7割を占めるまでになり、隣国のグアテマラでも広く生産されています。
[参考資料]
World Coffee Research (2019) 「ARABICA COFFEE VARIETIES」, URL: https://varieties.worldcoffeeresearch.org/content/3-releases/20191206-update-may-2019/arabica-coffee-varieties.pdf (参照日:2022年8月26日)