アルバム

【東南アジア絶品グルメ】カオラウ (ベトナム)

投稿日:2019年1月18日 更新日:


by Gaku.Y

カオラウ (Cao Lau)
ホイアン風 汁なし麺

ベトナム/クアンナム省

ベトナム中部に位置する世界遺産の街ホイアン名物の一つとなっている麺料理。16世紀から17世紀初頭にかけ朱印船貿易で日本人町があったという歴史的背景もあり、よく日本のガイドブックには「カオラウのルーツは日本の伊勢うどんだ」などと書かれているが、実はそう断定できるほどカオラウの由来ははっきりしているわけではない。

確かに麺の太い見た目は伊勢うどんに似ているし濃い目の醤油だれに絡めて食べる点など共通点もあるのは事実だが、タレを絡ませて食べる汁なし麺自体は東南アジアにおいてよく見られる食べ方である。また米粉にアルカリ性であるホイアンの井戸水 (現在はかん水も使用) を使って作るカオラウの麺はしっかりとしたコシがあり、ふわふわもちもちした伊勢うどんの食感とは異なる。かん水を使用した麺の製法は元々古代の中国南方地域を発祥とすることから、カオラウの起源は中国ではないかという説もあるようだ。

国際貿易港として繁栄したため洋の東西の異文化が絶妙に融合しているホイアンという街の成り立ちを見ると、カオラウが生まれた背景に日本の商人たちの影響は少なからずあったであろうと思うし、またそこに中国の食文化が取り入れられたとしても何ら不思議ではない。麺の上にのせられているチャーシューは、やはり中華圏の影響だろう。

由来がどうであれ、世界各国の観光客で溢れる通りを見ながらカオラウを味わうと、初めて食べる料理なのにどこか懐かしい不思議な感覚を抱くだろう。そうさせるのがタレの味なのか、麺なのか、それともホイアンという街だからか、理由は分からない。だが、日本人がふと郷愁を覚える味がカオラウに息づいていると感じるのは私だけではないと思う。機会があれば是非試して頂きたい一品である。

地球はコーヒーで回ってる O.M.C. - にほんブログ村

スポンサーリンク

(2019年2月4日:テキスト修正)


スポンサーリンク

Colors Coffee

Colors Coffee

-アルバム
-, ,

執筆者:


Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.

関連記事

Northern Thai curry noodle

【東南アジア絶品グルメ】カオソーイ (タイ)

カオソーイ (Khao Soi) 北タイ風 カレー麺 タイ/チェンマイ県 スパイスの利いたカレースープとパリパリに揚げられたエッグヌードルが特徴の、北タイを中心に味わえる麺料理。元々これと似たような料 …

【東南アジア絶品グルメ】ガイヤーン (タイ)

by Gaku.Y ガイヤーン (Gai Yang) タイ風 焼き鳥 タイ/チェンマイ県 ガイヤーンもソムタムと同じく、タイ東北部イサーン地域やラオスを発祥とする料理だ。日本語で「焼き鳥」というと串を …

【美しき東南アジア】キャメロンハイランド

Cameron Highlands キャメロン ハイランド マレーシア / パハン州 首都クアラルンプールから北へ約150kmに位置する、イギリス統治時代に開発された高原地帯 キャメロンハイランド。熱 …

Stewed pork

【東南アジア絶品グルメ】バクテー (マレーシア)

Photo by Gaku.Y バクテー[肉骨茶] (Buk Kut Teh) 豚肉の漢方煮込み マレーシア/クアラルンプール 今でこそ日本のテレビで取り上げられることも増え、「バクテー」が何なのか知 …

Dry noodle on the plate

【東南アジア絶品グルメ】サラワクミー/コロミー (マレーシア)

by Gaku.Y サラワクミー/コロミー[砂捞越干捞面] (Sarawak Kolo Mee) サラワク風 汁なし麺 マレーシア/サラワク州 マレーシアの麺料理と言えば「パンミー(板面)」や「ワンタ …

このブログについて

東南アジアに住んで21年。知っているとコーヒーがもっと楽しめる豆知識をはじめ、さまざまなコーヒー文化と地元情報を現地から発信しています。

地球はコーヒーで回ってる O.M.C. - にほんブログ村

TAILORED CAFE Online Store


管理人: Gaku

40代の通訳者です。
マレーシアのクアラルンプール在住。

[好きなモノ]コーヒー、写真、バイク、温泉、ラーメン

毎朝、妻と二人でコーヒーを飲むのが日課。でも、珈琲ネタを語りだすとサラリと流されます。