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【マレーシア】再度のMCO (ロックダウン) の可能性は? (2021年1月)

投稿日:2021年1月7日 更新日:


Night view of Kuala Lumpur

クアラルンプール市内中心部

感染収束の見通しが立たない現状

2020年12月から、大幅に経済・社会活動の制限緩和に舵を切ったマレーシア政府。国内観光も含めた人の移動と消費が一気に活発化し、クリスマスや年末年始にはセールの売り上げが好調、各地のホテルも予約率が100%に達するなど、とにかく経済を回すという意味ではそれなりの結果が出たと言えます。

一方、その代償として新型コロナウイルス (COVID-19) の感染拡大には歯止めがかからなくなっています。1月1週目を終えた時点で、一日あたりの新規感染者は3,000名を超えるまでに増加。医療体制においても受け入れ可能な病床数がひっ迫しており、一部の軽症患者を体育館のような場所を転用した仮施設で隔離する処置や、職場の集団検査等で陽性になってもとりあえずは自宅待機を要請するような状況になっています。

さらに、重症者が増えたことでICUのキャパや人工呼吸器も不足しており、国家安全保障委員会 (NSC) や関係省庁もできるだけ経済を回したいとはいえ事態の深刻さを無視できなくなってきました。

再び厳しい制限の可能性も

感染の拡大もクラスターであれば、ピンポイントで建物を封鎖したり特定企業の従業員に集団検査を行うなど、広範囲への影響を避けながら対策を取ることができます。実際、2020年10月頃から首都圏で増加した感染は、工場労働者や集団生活をしている警備員などがメインだったため、重点的な対策によって大規模な市中感染の拡大をある程度抑えられていました。

しかし、年末年始あたりから急増している感染例は各地域で散発して発生しており、感染者が広範囲に行動することでさらに濃厚接触のあった人に感染が拡大するという悪循環に。次から次にコンドミニアムやオフィス、店舗での感染者が報告されています。

表向きは「経済をこのまま回していく。観光も続けるし、学校も通常通り新学期をスタートさせる」と言っている当局ですが、医療崩壊を防ぐためにもどこかで感染拡大を抑えるためのより強力な手段を取らざるを得ないでしょう。ここ数週間の感染拡大は、明らかに人の移動と社会活動が増加したことが原因と見られますが、今さら多少SOPを強化したところでホリデーシーズンで緩み切った空気を一変させるのは難しいと見られています。そのため、ここ数日「2020年3月に施行された当初のMCO並みの規制が再施行されるかもしれない」という分析がチラホラと出てきているのも不思議ではありません。

より厳しい規制として考えられるのは、以下のようなものです。

・州をまたぐ移動の禁止 (または自宅からの移動距離の制限)

・生活に必要不可欠なモノの購入や医療機関の受診等を除く外出の禁止

・スポーツ、娯楽活動の禁止

・人が集まる社交、宗教活動の禁止

・店内での飲食の禁止

・オフィスでの勤務を禁止

現行のCMCOよりも厳しい規制が再度施行されれば観光業・小売業ともに大きな打撃となるため、「とにかく“フルMCO”=ロックダウンはやめてくれ」というのが経済界一般の意見ですが、とりあえずある程度経済が回った年末年始が終わってからであればロックダウンに入っても少しなら耐えられるという見方もあります。

とりわけ地元の中小ビジネスをこれ以上倒産させられないというのは、政府高官も繰り返し述べている点です。現政権も再度のMCO施行というオプションについてはすでに検討を進めているようですが、影響を受けるビジネスへの補償や支援なども含め、クリアしなければならない法的な問題がいくつかあるようです。ただ逆に言えば、法的な懸案さえクリアできればロックダウンを行う可能性はあるということでしょう。

(2021年1月11日:追記) 上で予想したのとほぼ同じ規制内容となった「MCO 2.0」をムヒディン首相が発表しました。1月13日より施行されます。詳しくは当ブログ記事「【マレーシア】活動制限令:MCO 2.0 とは? (2021年1月施行)」をご覧ください。

余裕を持って事前の対策を

日本の場合は、例えば緊急事態宣言といっても報道等を通してタイミングや規制内容の予想が大体つきますが、マレーシアでは中々そうはいきません。予期していないタイミングでいきなり首相の会見が開かれ、生中継を見て初めて翌日から施行される規制内容を知るということもよくあります。

当然公式発表はマレー語で行われるため、マレー語が理解できなければ現地の英語メディアの報道を待つことになります。さらに英語もよく理解できない場合は、こうしたニュースに早い日本人の知り合いに頼るか日本大使館からの情報を待つしかありません。マレー語の発表を聞いてすぐに行動できる地元マレーシア人と比べると、大半の日本人はどうしても現地情報についていくスピードが遅くなりがちです。

そのため、「厳しい規制が戻って来る可能性がある」という声がチラホラ聞かれるようになった今の時点で、食料や水、薬やマスクなど自宅の備蓄を再度確認しておくことや、規制が厳しくなると利用できなくなるサービス等を早めに済ませておくことなど、できることを余裕を持ってやっておきましょう

注意したい点ですが、マレーシア政府の規制はコロコロ変わります。先週まで有効だったものが今週から無効になることも珍しくありません。クアラルンプールの日本大使館は、マレーシア政府の法規制等については他国の大使館より情報が早いことも多く、公式発表では曖昧な部分について直接関係省庁に裏を取って確認してくれることもあります。マレー語での重要な発表は大抵の場合 当日中に翻訳してメールしてくれるなど、正確な情報源として在住邦人にとっては貴重なチャンネルです。マレーシア在住または滞在中の方は、忘れずに在留届たびレジに登録して最新の情報を把握できるようにしておきましょう。

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(2021年1月8日:テキスト追加・修正)

[参考資料]
(2021年1月6日) Return of MCO-style lockdown on the cards as daily cases set to spike. Malaysia Now, URL: https://www.malaysianow.com/news/2021/01/06/return-of-mco-style-lockdown-on-the-cards-as-daily-cases-set-to-spike/ (参照日:2021年1月7日)


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40代の通訳者です。
マレーシアのクアラルンプール在住。

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