Touch’n Goの期限が切れると結構大変
マレーシアで生活するなら欠かせない「Touch ‘n Go」(タッチンゴー/TnG)カード。道路の料金所はもちろん、LRTやMRT、バスなどの交通機関、さらにはショッピングセンターの駐車場など広範囲で対応しており、ザックリ言うと日本の「Suica」と「ETC」を合体させたような感覚で使えるカードです。
さてこの「Touch ‘n Go」、かなりの人が気にもしていないのですが、実は有効期限があるんです。
おすすめ記事:「【新型コロナ (COVID-19)】マレーシアの感染状況は?」
有効期限などという大事なことを、なぜほとんどの人が意識していないのか?それは、TnGカードの有効期限が何と10年もあるから。日本のETCだと有効期限は3年から5年ですし、大抵は車のエンジンをかける度に「有効期限は〇年〇月です」とETC本体がご丁寧に教えてくれる上に、カード発行会社からも更新時期になると通知があります。
しかし、TnGカードにそういうフォローは一切なし。ある日、料金所のSmartTAG ゲート (TnGカードを挿入した機器で通行できる自動ゲート) でエラーが出て開かなくなり、焦って助けを求めた係員に冷たく「期限切れです」と言われて初めて有効期限があったことに気づく人は少なくありません。「Suica」も有効期限はありますが、最終利用日から数えて10年が期限ですし、そもそも半年利用していなければロックされるので、TnGカードのように毎日使っていたのにいきなり期限切れで止められるということはありません。
さらに、TnGカードは面倒なことに有効期限の表記が嫌がらせかと思うほど目立たないのです (笑)。せめてクレジットカードみたいに表にはっきり書いてあれば分かるんですが、裏面にごく小さな字で「EXP 01/20」(2020年1月まで) などと印字されているだけなので、どこを見れば有効期限が分かるのかすら知らない人もいます。
そんなワケで、マレーシアに長期在住の方も、あるいは誰からから「Touch ‘n Go」を譲り受けたという方も、いま一度ご自分のカードの有効期限を確認してみて下さいね。ちなみに、一旦期限切れになってしまったカードの残高を移行するには「Touch ‘n Go オフィス」での手続きが必要です。(お近くの支店情報は公式ウェブサイトをご参照ください。)有効期限が近づいている場合は、高速の料金所に併設されているオフィスやMRTの駅窓口などで簡単に新規購入できますので、余裕を見て新しいカードを買っておきましょう。ただ、残高を移すのにかかる手間と労力を考えると、古いカードは残高を確認しながらできるだけ使い切ってそのまま廃棄してしまった方が楽だと思います。
スポンサーリンク
最近よく耳にする ”RFID” って何?
何だかんだ言われながらもとりあえず便利な「Touch ‘n Go」カードですが、高速道路の自動ゲートには通信エラーの少ないRFIDをマレーシア全国で普及させたいようで、しばらく前からキャンペーンが始まっています。
機器さえあればすぐに使えるSmartTAGとは違って、RFIDは使用前に登録手続きをしてRFタグを車に取り付けてもらう必要があります。現時点では、市内各地にあるRFID特設カウンターで登録可能。信号の精度などの理由から、大抵は車の左ヘッドライトに電源不要のタグを貼り付ける形になるようです。(下写真を参照)
RFIDを使用するには、まずスマホに「TNG eWallet」というTnGの専用アプリをダウンロードし、アカウントを作成して手持ちのTnGカードを追加。それから、eウォレットに残高をチャージしておく必要があります。ちなみに「TNG eWallet」はRFIDに限らず、対応しているレストランやカフェなどでも使ってポイントを貯めることができます。
↓TNG eWallet のダウンロード (iOS) はこちらから (アイコンをクリックでApp Storeへ)
※ 注意したいのが、通常のTnGカードのみ対応でeウォレットには非対応の支払いの際には、「TNG eWallet」とは別でTnGカード自体に残高を入れておく必要があります。(例:eWalletでRM100入れてあったとしても、カード自体の残金がなければeWallet非対応の駐車場などでは「残金なし」とみなされる)何ともややこしいシステムですが、eウォレットがより普及するまでは二度手間で不便な面もあるということは意識しておいた方がいいかと思います。
(2020年2月11日:追記) 数日前に、突然「今やってるRFID無料登録キャンペーンは2月14日までで、2月15日からは手数料RM35 (約900円) かかるよ」と発表。ガソリンスタンドやショッピングモールなどにある特設カウンターはそれまで結構ガラガラだったのに、この発表の直後から人が殺到。週末だけでなく、平日でさえも開始一番からものすごい人です。(たぶん待ち時間1時間ぐらい) 場所によっては、RFIDタグの在庫がなくなってしまい入荷予定もないという状態のところも。「何が何でも無料期間中に登録しないと損をする!」と考えるマレーシア人らしい (笑) 反応ですが、個人的には、そうでなくとも新型コロナウイルスで人混みは避けたいこのご時世に、たかがRM35のために押し合いへし合いしながら1時間も待つメリットを全く感じません。
話が少しそれますが、マレーシア人 (特に中華系) の「損得」に対する情熱は本当にすごいものがあります。安いと評判のレストランを目指して町の反対側まで運転して食べてきて、「いやぁ、あの店はここより〇〇が一杯50セン (約13円) も安かった!」ってな話を満足そうに語ってくれるわけですが、わざわざそこまで行く時間と労力は安さの計算式には入らないようです。本人がハッピーならそれでいいんですけどね。
一応すべての料金所でRFID対応ゲートがオープンしているようで、これからさらにその数は増えていくことでしょう。ただ現時点では、対応ゲートは相当交通量の多い料金所であっても大抵1レーンだけで、しかも専用レーンではなくSmartTAGとの併用となっています。ということは、読み取りエラー等で前方のSmartTAGを使っている車が止まってしまった場合は、後続のRFID装着車も足止めされてしまいます。今の状況ではせっかくRFIDを登録していても、万が一のことを考えると結局SmartTAGも併用せざるを得ません。
RFIDは比較的単純なシステムとなっているので日本のETCのように支払い記録などは利用できませんが、車体側はRFタグを貼り付けるのみで利用できることから、eウォレットと紐づけする必要があるとはいえ普及への障害は低いと思われます。今のところすぐにSmartTAGが料金所で使えなくなるとは言っていませんが、恐らくそう遠くない将来にRFIDに完全移行する日が来るような気がします。逆に言うと、完全移行するまでの期間はRFIDのメリットを100%受けることは出来ないので、いつ自分の車に導入するかタイミングの見極めに悩むところです。ここはETCと同じく、RFID専用レーンを作ってそこだけ車の流れがいかにスムーズかを見せつければいい宣伝になるんじゃないかと思います。
おすすめ記事:「マレーシアで運転するなら注意したい 5つのポイント」
(2020年2月11日:見出し追加、テキスト修正・追加)