直前情報:World Barista Championship (WBC) 2017
韓国のソウルでいよいよ今週開催されるワールド・バリスタ・チャンピオンシップ 2017 (World Barista Championship 2017)。公式ページで紹介されている参加者リストの中から、今大会でぜひ注目したいバリスタを5人ピックアップしてご紹介します。
(2017年11月11日:追記)
準決勝結果:ここにあげたバリスタのうち4人が決勝ラウンドへ!!
マレーシア代表の Jason Loo バリスタは準決勝7位のスコア (あと一つ順位が上がれば決勝ラウンドという僅差!!) で、今回は残念ながら準決勝ラウンドで競技を終えることとなりました。とはいえ、前回参加時より大幅に成績を伸ばした Loo バリスタ。近い将来、決勝の舞台でそのパフォーマンスが見られる時が来るのを楽しみにしています。お疲れさまでした。
(2017年11月10日:追記)
予選結果:ここにあげたバリスタ5人全員が準決勝ラウンド進出しました!!
Contents
ワールド・バリスタチャンピオンシップ (WBC) の注目株
No.1 [香港代表] Kapo Chiu (Cupping Room Coffee Roasters)
出場順:予選ラウンド34番目(11月10日 午前)Station 1
最終成績:決勝3位
2013年から数えて今大会が3度目のWBC参加となるアジアでも指折りの経験豊富なバリスタ。前回出場した2014年のWBCでは、優勝した井崎バリスタに次ぐ2位の成績を収めました。旅行とおいしいものを食べるのが大好きだという Chiu バリスタ、韓国ではキムチを食べるのが楽しみだそうです。現在はヘッドロースターとして焙煎にも打ち込んでおり、今後数年で地域を代表するロースターになりたいと決意を語っています。3年ぶりとなる今年のWBC、さらに磨きこまれたバリスタスキルを見せてくれることでしょう。
No.2 [日本代表] 鈴木樹 Miki Suzuki (丸山珈琲)
出場順:予選ラウンド6番目(11月9日 午前)Station 3
最終成績:決勝2位
日本代表の鈴木バリスタも2011年以来今年で3回目のWBC出場となるベテランです。初参加となった2011年のWBCでは5位、翌2012年は4位の好成績を残しています。コーヒー業界として、お客さんの「コーヒー・エクスペリエンス」に注目して取り組んでいく必要があると述べ、バリスタとしてコーヒーの価値をより高めていきたいと語る鈴木バリスタ。ちなみにコーヒーと過ごす時間以外では、バーに行って飲みながらバーテンダーの話を聞くのが好きなんだとか。活躍するフィールドこそ違えど、プロとしてお客さんに最高の飲み物を提供するという点ではバリスタもバーテンダーも同じ意識を持って仕事と向き合っているんでしょうね。今大会でも、競技を通してコーヒーに対するその熱い思いとトップレベルのスキルを見せてくれるのを、日本中のコーヒーファンが楽しみに応援しています。
No.3 [カナダ代表] Ben Put (Monogram Coffee)
出場順:予選46番目(11月10日 午後)Station 1
最終成績:決勝4位
1988年冬季オリンピックの開催地となったカナダのアルバータ州カルガリーにカフェ&ロースタリーを持つ Put バリスタは、2014年から今年でWBC4年連続出場を誇り2015年と2016年は3位にランクイン。いつ優勝してもおかしくない歴戦のバリスタです。今大会では、開催地の韓国でコリアンBBQを食べるのが楽しみとのこと。また、韓国でチョコバー、スニッカーズ (Snickers) ヘーゼルナッツ味を大量買いするためにわざわざ空のスーツケースを持って行くと言うほどの甘いモノ好き。昨年の12月には男の子が生まれ、今は子供と一緒に遊ぶ時間が楽しいという父親としての一面ものぞかせます。その他にも、楽器の演奏や料理、読書など多彩な趣味を持つ Put バリスタ。今大会でいよいよ念願の優勝となるか、そのパフォーマンスに注目です。
No.4 [マレーシア代表] Jason Loo (Yellow Brick Road Cafe)
出場順:予選33番目(11月10日 午前)Station 3
最終成績:準決勝 (総合) 7位
近年カフェ業界が急成長しているマレーシアの若手バリスタ。とにかくコーヒーが大好きで、自身がオープンしたカフェはたちまち評判となりコーヒー好きのファンでいつも賑わっています。地元なので彼のお店には時々行っていますが、さすがスペシャルティコーヒーに対する探究心あふれるバリスタというだけあり、豆の持ち味を生かして丁寧に淹れたとても美味しいコーヒーを出してくれます。Loo バリスタは2013年、2015年、2017年と3度の国内優勝を飾り、初出場となった2015年のWBCでは予選27位と健闘。「将来はコーヒーのプロセスについてもっと研究したい」という言葉からも、バリスタとしてさらなる高みを目指していることがにじみ出ています。2年ぶりのWBC出場となる今大会、ぜひマレーシア代表としてその高いバリスタスキルを見せて欲しいと個人的に期待しています。
No.5 [オーストラリア代表] Hugh Kelly (ONA Coffee)
出場順:予選8番目(11月9日 午前)Station 2
最終成績:決勝5位
オーストラリアといえば、かの有名な2003年WBCチャンピオンのポール・バセット (Paul Basset) を輩出したように、コーヒー文化がいち早く成熟した国の一つです。そのオーストラリアで2016年、2017年と2年連続で国内競技会を制した Kelly バリスタ。昨年のWBCでは惜しくも決勝ラウンドには進めず、準決勝8位という結果でした。これには自身も「正直がっかりした」と打ち明けていますが、その経験を通して「昨年自覚した弱点はすべて、今年は自分の強みに変えた」と大きく成長したことをアピール。「去年は競技のステージに立つことがストレスに感じたけど、今年は自分をコントロールできていると思う」と自信の程をのぞかせています。同じオーストラリアのWBC 2015年大会チャンピオン、Sesa Sestic からも大会に向けたノウハウの点で大きなサポートを受けている Kelly バリスタ。本番で持っている実力を出すことができれば、今大会の優勝候補の一人と言って間違いないでしょう。ちなみに趣味は料理とスキーで、ワインが大好きとのこと。
その他の今大会に関する情報は、こちらの記事「【韓国】イベント:World Barista Championship (WBC) 2017」でも扱っています。
<あとがき>
WBC2017公式ページにイライラが募る今日この頃。色々調べたいのに、読み込むのが遅い、情報を探しにくい、内容に間違いが多い、などなど。せっかく世界最高峰の大会なんだから、もう少し使いやすくしてくれればいいのにと思うんですけどね。
(2017年11月7日:タイトル修正)
(2017年11月14日:最終成績追記)