ガイヤーン (Gai Yang)
タイ風 焼き鳥
タイ/チェンマイ県
ガイヤーンもソムタムと同じく、タイ東北部イサーン地域やラオスを発祥とする料理だ。日本語で「焼き鳥」というと串を想像するが、ガイヤーンはむしろバーベキューチキンと呼ぶ方がイメージに近いかもしれない。ナンプラーにニンニクやスパイスなどを加えたタレに漬け込んだ鶏肉を炭火でじっくり焼くこの料理は、シンプルながら店ごとの技や個性が出やすい。マリネされた肉自体にしっかりと味はついているのだが、さらにそれを辛いつけダレで食べるのが一般的である。
炭火の手焼きでよくここまで上手い加減にできるなと感心するほど中までジューシーに焼き上げたものもあれば、焼くのはケバブのような機械を使いながらもニンニクたっぷりパンチの利いた風味で人気の店もある。ちなみに上の写真は、ナンプラーと白胡椒ベースで仕上げたあっさりとした味付けながら、皮のパリパリ感がやみつきになると地元の若者を中心に人気の一品だ。このように焼き方もレシピも店によってかなり異なるので、ガイヤーンの食べ比べをするのも面白い。
また、タイミングがよければ鶏の足の部分やその他の希少部位を店の片隅でこっそりと焼いていることがある。足は見た目はグロテスクだし食べるところもほとんどないのだが、香ばしい皮をせせりながら味わうと結構ハマるものだ。以前、私と妻が皿に盛られた焼きたての鶏の足を食べていると、ちょうど隣のテーブルに座った警察官のグループが「それどう?美味いか?」と話しかけてきた後、結局自分たちも注文して皆で何とも幸せそうにポリポリ食べていた光景は今でもはっきりと覚えている。もし珍しい部位をガイヤーンの店先で見かけることがあれば、ぜひ一度試して頂きたい。
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(2021年3月31日: テキスト修正)