カオソーイ (Khao Soi)
北タイ風 カレー麺
タイ/チェンマイ県
スパイスの利いたカレースープとパリパリに揚げられたエッグヌードルが特徴の、北タイを中心に味わえる麺料理。元々これと似たような料理はタイと国境を接するミャンマーやラオスで広く食べられており、そこから北タイに伝わったと見られる。(「カオソーイ」という名前自体も“麺”を意味するミャンマー語が語源) 日本では「タイのカレーラーメン」と紹介されることも多いが、揚げ麺だけにラーメンというとちょっとイメージが違うかもしれない。
大抵はココナッツミルクが入っており、それがスープに濃厚なコクを生んでいる。好みでライムを絞り、一緒に出される漬物 (高菜漬け) や玉ねぎ (赤エシャロット) などと一緒に食べる。別々に食べてもいいし、麺に放り込んでもいい。コクのあるスープとパリパリ食感の麺という組み合わせが食べていて面白い。カオソーイには牛肉、豚肉、鶏肉など違ったバージョンがあり、数は少ないもののモスクの近くにはイスラム教徒の戒律に基づいた「カオソーイ・イスラム」を出す店もある。
カオソーイといってもある程度ピンキリで、ストリートフードや安く食べられる大衆食堂のカオソーイもあれば、カオソーイ専門店のようなこだわりの店もある。安いからといってダメなわけではないが、安かろうまずかろう的な店も時々あるので、どうせ食べるなら地元の人に「カオソーイが美味しい」と評判の店に行くことをおすすめする。
まず、美味しいカオソーイというのはスパイスの重厚さが違う。口に入れた瞬間、チリの辛さやカレーのスパイスが一気に弾ける。その後、ココナッツミルクのまろやかさやスープの奥に潜む甘みが刺激をやわらげていく。合間に食べる高菜漬けの酸味と塩気、また生のエシャロットの刺激が味覚をリセットし、最後まで飽きさせない。
さらに、麺にのっている肉が旨いとカオソーイの美味しさが倍増する。個人的には、肉が箸でホロホロに崩れるほど柔らかく煮込まれているものが好みだ。パリパリ、ホロホロ、トロッという麺、肉、スープの食感三重奏が実に旨い。(鶏肉などまだ肉がしっかりしていると、骨から外そうとあれこれやっているうちにスープが飛び散って服を汚してしまうという理由もある。)
カオソーイはタイ料理基準では激辛とまでいかないものの、ココナッツミルクで緩和されているだけで結構チリは入っているし、辛い食べ物が苦手な人にはそれなりに難関かもしれない。でも、タイ国外のタイ料理店でカオソーイを提供しているところは少ないため、もし北タイに行く機会があればぜひ現地で本場の味を味わってみて欲しい。
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