車社会のマレーシアで、ほぼ毎日接することになるのが駐車料金の支払いです。
ショッピングモールなど大型商業施設にはたいてい自前の駐車場がありますから、入り口で受け取ったチケットを精算機や窓口で支払う、または会員カードが駐車場のプリペイドカードになっていて出口ゲートで機械にタッチするなど、支払い方法で大きく迷うことはないと思います。ただし、これが路上での駐車となると事情が違ってきます。パーキングメーター式のところもあればチケットやスクラッチカードタイプのクーポンを車内の見えるところに置いておくところ、またはパーキングマシンでチケットは買うけれども車内に置く必要はないところなどエリア毎にシステムが異なっており、慣れていないと戸惑うことがあるかもしれません。今回はその中でDBKL (KL市役所) 管轄のチケットマシンの使い方をお伝えします。
(2020年11月25日更新) 2020年10月1日以降、DBKL管轄のパーキングマシンは使用停止となり、今後はアプリを通しての支払いとなると張り紙が。色々とマルチに使えるという意味では「TNG eWallet」が便利だと思いますが、その他「Boost eWallet」「MyMCash」「EZ Smart Park」「Flexi Parking」「WILAYAH PARKING」なども使えるようです。(最後の2つは、ユーザーレビューがあまりよくない)
ただし、10月1日からアプリでの支払いに切り替えといいながら、システム変更が施行日に間に合わないのはマレーシアのお決まりです。これまで1か月以上、「TNG eWallet」ではDBKL(Dewan Bandaraya Kuala Lumpur) のエリアが“Upgrading” (システム変更中) で使えなくなっていましたが、数日前から使用可能になりました。まだ駐車違反取り締まりはそれほど目につきませんが、また以前のように厳しくなるのも時間の問題だと思います。払い忘れのないようお気をつけください。
TNG eWallet アプリ (iPhone)
Boost eWallet アプリ (iPhone)
MyMCash アプリ (iPhone)
EZ Smart Park アプリ (iPhone)
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料金精算の仕組み
DBKL管轄の地域で広く使われているのが、チケットマシンです。数年前にシステムが一新されて新しい機械が導入されたのですが、それ以前のマシンはとにかく故障中のものが多く利用者からは不評でした。この地域に住んでいる方なら、近くのマシンがすべて壊れているためかなり遠くのマシンまでパーキングチケットを買いに行ったあげく、数分後にチケットを置きに車に戻った時には時すでに遅しーフロントガラスに駐車違反切符が貼られていた、という理不尽な経験をしたことも一度や二度ではないでしょう。
新しいマシンになってからはまず故障が以前より少なくなったことに加え、全てのマシンがオンライン回線で繋がれました。このことにより、チケットを買った時点で駐車料金を支払ったという履歴がメインデータに反映され、車のナンバーをデータベースに照合して駐車違反を検挙する係官がリアルタイムで支払い状況をチェックできるようになりました。(同時に、違反切符を切られた際に「遠くまでチケットを買いに行っていた」という言い訳も通用しなくなりましたが。)
加えて、マレーシアで広く使われている接触型ICカード「Touch’n GO」での支払いもできるようになりました。また実際の駐車した場所から離れたところにいる場合でも、同一エリアであれば近くのパーキングマシンでチケットを買い足すことで、わざわざチケットを置くため車に戻らなくても駐車時間を延長できる点もオンライン接続されているメリットと言えるでしょう。最近では、若年層を中心にマシンで支払う必要がないパーキングアプリを使っている利用者も増えているようです。
関連記事:「【マレーシア】繁華街の路上駐車で気をつけるべきこととは?」
パーキングマシンの使い方 (現金/Touch’n GO)
もし画面に何も表示されていなければ、まず上の写真Aで赤く囲んだ部分のボタンを押します。すると緑で囲んだ部分に「TnG (Touch’n GOカード)」と「Syling (硬貨)」という選択肢が表示されますので、どちらで支払いをするのか選びます。(注:この時点ではお金を入れない)
支払い方法を選ぶと、次にアルファベットのキーボードが表示されます。自分の車のナンバーをアルファベットも含めて間違えないように入力しましょう。入力すると、画面右下 (上の写真Bの緑で囲んだ部分) に「OK」というボタンが表れますので、間違いがなければそのボタンを押して次に進みます。(注:DBKLの係官によると、もし機械の故障などでキーボード入力ができない場合、または発券した後に入力したナンバーの間違いに気づいた場合などは、とにかくチケットを車内の見える所に置いておけば違反切符を切られることはないとのこと。ただしチケットを車内に置いていない場合は、照合するオンラインのデータと車のナンバーが一致しないので駐車違反を取られる危険性大。)
ナンバーを確定したら最後は支払いです。硬貨で支払う場合は、上の写真Cの赤で囲んだ部分に硬貨を投入しましょう。(50 sen、20 sen、10 sen 硬貨のみ。エリアによって最低金額が異なる。1時間単位での支払い) これがかなりのクセ者で、特に10 sen 硬貨は結構な確率でエラーになって返却口に落ちてきます。ただし返却されたコインでも、もう一回投入すると認識されることが多いので試してみましょう。ちなみに5 sen と10 sen は非常に紛らわしいので、間違って5 sen を入れないようにご注意ください。
もう一つ気をつけるべき点ですが、支払い画面でしばらく時間が経つと自動的に支払いがキャンセルされます。少しコインを入れるのにもたついていると、「ジャラジャラジャラ」という硬貨が返却される無慈悲な音とともにすべてがリセットされて最初からやり直しとなります。あらかじめ支払う金額のコインを手に持っておくなど時間をかけない工夫が大切です。硬貨を投入したら、画面に表示されている時刻内に自分の駐車したい時間がおさまっているかどうか確認し、「OK」ボタンを押して金額を確定します。
支払いを「Touch’n GO」カードで行う場合は、まず何時間分を払うのか選択します。「RM0.80」「RM1.60」など、駐車したい時間に合わせて金額を選びましょう。「OK」ボタンを押して金額を確定したら、マシンの下の方にカードを接触させるスロットがありますのでそこに「Touch’n GO」カードを入れてください (下の写真の緑で囲んだ部分。デザインが悪いのか妙にカードを入れづらいのはご愛敬)。認識するまでに数秒かかることもありますので、画面が切り替わるまでは読み取り部分に接触させておきましょう。
金額が確定して支払いが終わると、めでたくチケットが発券されます (写真Cの青で囲んだ部分から出てくる)。「NO. KENDERAAN (車両番号)」の下に正しく自分のカーナンバーが印字されているなら、わざわざチケットを車内に置きに行く必要はありません。うっかり駐車時間を超えてしまわないよう、チケットの有効時間には注意しておきましょう。
路上駐車であれば1時間あたり約20円から30円の間という、日本と比べると相当に安い駐車料金のマレーシア。ただし、通常黄枠のパーキングスポットが赤枠になっているところは、そのスペースを借りている店舗のカスタマー以外駐車してはいけないとか、車の修理店やタイヤ店の前は駐車できない (うっかり駐車するとかなり怒られます。場合によっては車を故意に傷つけられることも) 、また本来夕方以降は無料駐車なのに駐車料を高額請求してくる違法なボッタクリが出没する要注意エリアがあるなど、パーキングのシステムという意味では分かりにくい部分も多く、慣れない外国人にとっては初めのうち難しく感じることもあるかもしれません。
また駐車料金が課金される時間も、あるエリアでは月~土の日中、隣の市では月~金の日中、さらに別の市では平日・週末を問わず払う必要があるなど、地元の人であっても時折間違えるほど複雑なシステムとなっています。いくら反則金が数千円程度だといっても、やはり違反切符を受け取るのはイヤなもの。多少面倒に感じることもありますが、みなさんも駐車する際にはうっかりミスをしないよう十分注意して下さい。
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