新型コロナでガラガラだった道路はもう昔の話。最近は以前にも増して交通量が増えており、特にショップロットエリアなどの路上パーキングは常にいっぱいです。そこで避けては通れないのが、マレーシアの有名な (「悪名高い」とも言う) 二重駐車、通称“ダブルパーク”です。
ダブルパークというのは、パーキングが見つからない(または探すのが面倒くさい)場合に、正式な駐車枠に停めてある車のすぐ横や前にかぶせる形で二重に車を停めることで、「あまりよくないよねー」と言いながら相当数のマレーシア人がやっています。当然ながら、正規の駐車スペースに入れた車はそのままでは出られません。日本ではあまり経験することのない二重駐車、「出ようと思ったら自分の車がブロックされていた」という状況になったらどうすればいいのでしょうか?
注:もし金曜日ランチ後のお祈りの時間にモスク周辺で駐車していた場合は、二重どころか三重四重駐車になりお祈りが終わるまで出られませんのであきらめましょう。この記事に書いた解決法を金曜の礼拝時間にやっても恐らく無駄なので、金曜日の昼は絶対にモスクの近くには停めないことが大事です。
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持ち主の電話番号を見つける
まずは、ダブルパークしている車の車内(特にダッシュボード)に電話番号を書いた紙が置いてないかチェックしましょう。もしあれば、その番号に電話をかけて「ちょっと車どけてもらえます?(”Can you move your car?“)」と言えば、1、2分後には近くのお店やオフィスから車の持ち主がバタバタと走ってきて「ソーリー、ソーリー」と車を動かしてくれるはずです。
ただし、番号があっても電話に出ない場合や、番号自体がどこにも見当たらない時には別の手段が必要になります。
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クラクションを鳴らす
電話連絡が使えない、または通じなかった場合には、自分の車の横に立ちながらクラクションを鳴らしましょう。(中に座っているとどの車が鳴らしているのか遠くからは分からないので、外で立っている方が目につきやすくていい)
車の持ち主はたいてい近くのお店かオフィスの中にいるので、軽く鳴らしただけでは聞こえない可能性があります。「プッ」などという控えめな鳴らし方ではなく、「プップー! ププップーー!! プープープーーッッ!!!」ぐらい派手にやって大丈夫です。これぐらいやったら、一旦10~20秒ほど休みましょう。反応がなければ、もう1、2回同じように鳴らします。
そもそも、ダブルパークというのは「何かあったらすぐ出てきて動かしますから」という暗黙の了解があってやっているもので、電話番号を置かない(もしくは電話に出ない)&クラクションを鳴らしても出てこない、というのは完全なマナー違反です。(そもそもダブルパーク自体が違反行為ですが。)なので、上に書いたぐらい手を尽くしても持ち主が出てこなかった場合は、ローカルだと明らかにキレた鳴らし方をし始め、近くの人たちもザワザワし出します。
飲食店やオフィスならいいんですが、ダブルパークの上で銀行の用事などすぐに手が離せないことをしている人の場合はすぐに戻ってこないので面倒です。時々クラクションを鳴らしつつ数分待っても持ち主が現れない場合は、近くのお店に車の持ち主がいないか尋ねて回ることぐらいしか手の打ちようがありません。
ただし、集合住宅の駐車場や一部地域のパーキングなど、場所によってはもう一つ試してみたい別の解決策があります。
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車を手で押して動かす
特に集合住宅の駐車場(ビジターパーキング)などで起こりやすいケースですが、特に夜になって自分の車を出そうと思ったら真ん前を完全にふさぐ形でダブルパークされているということがあります。仕事などから帰ってきて停められるスペースがないため、他人の車の前にドーンと停めて自宅に帰っているという場合がほとんどですが、こうしたケースではギアをニュートラル(N)に入れた上でサイドブレーキをかけずに車を動かせる状態にしておくことが暗黙の了解となっています。「邪魔だったら適当に車を押して移動させてね」というわけです。クラクションを鳴らしてもまず出てこないだろうという環境であれば、サイドブレーキ解除の上でダブルパークしている可能性が高いと言えます。
車というのは重量があっても、体重を乗せて押せば意外にすんなりと動くものです。さすがに女性の場合は一人で動かすのは難しいかもしれませんが、セキュリティーや近くを通りがかった人などに手伝ってもらうことができるでしょう。ちなみに、外からブレーキはかけられないので、調子に乗って押しすぎないようにしましょう。(※ 一旦動き出した重量物を人力で無理やり停止させるのは危険。勢いがつかない程度に少しずつ動かすことが大切です。)
ダブルパークされにくい停め方
仕事やアポで急いでいる時にダブルパークされると、待っている時間も無駄になりますし予定が狂ってイライラするものです。ダブルパークを完全に防ぐことはできませんが、道路によってはパーキングの枠内の外寄り(道路側)に停めることでもう一台分横に並べるためのスペースが狭くなり、結果的にダブルパークしにくい状況を作り出すことができます。(ただし、通行する車やトラックにサイドミラーをこすられるといった別のリスクは若干高くなるので注意)
そこら中ダブルパークしているような混雑エリアでは、少し離れたところではあっても立体駐車場やショッピングセンターに停めるというのも、ダブルパークに関わるトラブルを事前に避ける一つの方法です。
何かと日本での常識が通用しないことも多いマレーシアの道路事情ですが、もしダブルパークで自分の車がブロックされた場合に上の方法が少しでもお役に立てば幸いです。
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